興味津々
興味津々・No.064
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6月2日は「路地の日」である。なぜこの日が「路地の日」なのか、単なるゴロ合わせに過ぎないそうだが、失われ行く路地を何とか守りたい・復活させたいという気持がこもっている。「国民の祝日」にして、みんなで路地について語り合う日にしよう、などという宰相があらわれないものかと思う。まあムリな話でありますが▼路地とは、人家の間の狭い道をいう。どの程度の狭さであれば路地というのか。京都の先斗町や、大阪の法善寺横丁には、そこから枝分かれする、ほんとうに狭い路地がある。この場合、先斗町や法善寺横丁は大通りなのかどうか。これらはほんとうに選りすぐりの路地なので、枝分かれしたものは、路地のなかの路地と呼びたいけれど▼もう少し厳密に路地を定義すると、路地(ろじ)とは、密集市街地に形成される狭い道のことをいう。「都市の下町や漁村集落に多く分布し、洗濯乾しや地蔵や植木の存在とともに居住者の生活空間として活用され、コミュニティをつなぐ空間を成す」(ウィキペディア)もので、それは要するに、モザイク型(不規則性)の都市空間をいうのだろう▼世界のいい都市は、たいがいモザイク型である。摩天楼で知られるニューヨークであるが、その間に低層建築があって人間的機能を果たしている。新宿副都心が切ないのは、この人間的機能が欠けているからである。「輝ける都市」は、たいがい住みづらい▼北京には胡同(こどう、hú tòng / フートン)がある。北京の旧城内を中心に点在する細い路地をいう。北京の「銀座」といわれる王府井でも、一歩裏通りに入ると胡同が残されていて、「小吃」(軽食堂)があって、庶民の生活が垣間見られる。伝統的家屋建築である四合院は、この胡同の奥にある。四合院は、庭を囲むようにして東西南北の四面に部屋が対称的に並ぶ住宅である▼この胡同と四合院は、昨年の北京オリンピックを機にして、保存地区とされる一部を除き改築や取り壊しが行われて、跡地にモダンな高層ビルが屹立した。為政者は「輝ける都市」が好きで、チマチマ・ゴミゴミを嫌う▼『阿Q正伝』や『狂人日記』で知られる魯迅の北京の故居(北京市西城区阜成門内宮門口2条19号)を訪ねたことがある。こぢんまりした四合院で、中庭に魯迅が植えたというライラックの木があった。春に花が咲くという。隣に魯迅博物館が建てられているが、魯迅とその家族が生活した四合院は、南側に書庫があって、北棟に居間や妻と母の寝室があり、真中は食堂という配置で、往時のまま残されていた▼この故居から胡同を抜ける道でネコが日向ぼっこしていた。胡同や路地は、日向ぼっこするネコが似合うのである。






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