興味津々
興味津々・No.062
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注文住宅を請け負っていた中堅ハウスメーカーの倒産が相次ぎ、多額の前払い金を支払った施主の被害が大問題になっている▼建売住宅やマンションの購入では、仮にメーカーが倒産しても、手付金を救済する仕組みがつくられている。宅地建物取引業法が適用されるからである。しかし、注文住宅は同法の対象外になっているため、注文主側はほとんど救済されない▼今回、問題になっている富士ハウスの場合は、やり方が悪質で、被害の内容もケタ外れに大きい。同社の08年3月期の売上高は418億円だった。今年1月末の破産時点のグループの負債総額は638億円である。注文主が前払う金を支払ったもので未着工のものが1438件、未完成のものが420件を数える▼富士ハウスは、一般的・常識的な注文住宅の支払い時期を無視し、自己資金を全額前払いにすると数パーセント割り引くという言を弄して、実際の工事の進み具合よりも1千万以上支払わせていた。そうした注文主に分配される金額は、1千万円支払った人で170万円といわれている。酷い話というほかない▼この事件が生じて、住宅の完成保証制度がクローズアップされている。しかし、今回の被害問題と住宅完成保証制度を短絡させるのは危険である。この制度は、小規模工務店では、それなりに有効に働くものの、今回の富士ハウスのような規模のメーカーの場合には、保険会社自体、リスクヘッジできないからである。仮に年間500戸建築するビルダーがあるとして、そこが倒産した場合のリスクを想定すると割の合う話ではない▼今回の問題は、完成保証制度の外側の、中大規模な注文請負会社で生じた問題であり、ルールもへったくれもないメーカーのやり方と、そのリスクヘッジに問題の本質があるのである。こういう問題が起こると、零細工務店は大丈夫かと考えがちであるが、大手ハウスメーカーやパワービルダーの方が、実は、もっと危険であることを、今回の事件は教えている。ジャーナリズムは、そこをもっと問題にすべきである▼それでは、小規模工務店なら問題がないかというと、建築請負制度が持つ性格からくる「起こり得る問題」の対象外ではありえない。それを未然に防ぐには、工務店も注文主もルールを守ることである▼工務店は工事を行う以上一定に費用が掛かり、また何らかの工事が発生すると、その工事者(下請)に支払いが生じる。その費用は注文主の「注文」によって生じたものだから、当然に注文主が支払わなければならない。工務店はカスミを食べて工事を行っているわけではないのである▼一方、注文主はこれまで貯蓄したお金を全額近く支出し、それだけでは足りなくて金融機関から借り入れて建築資金を調達する。家づくりは、人生最大の「買い物」であり、工務店はそれを保全する義務を負っている。工務店は、建築請負契約において、注文主の財産の保全までを請け負っているのである▼建築請負契約の基本は、注文主・工務店共に、工事の出来高によるルールを守ることである。工務店は、保険会社の完成保証制度に入ったりしているわけだが、一定額の保証はあるというものの、それだけで注文主の財産の保全が満たされるわけではない。基本は、相互のルール遵守にある▼そのルールは、契約時に総工事費の1割、着工時に3割など、工事の進捗に合わせて設定されているが、出来高に応じて請求し、支払うという関係がきちんと定められた建築請負契約が結ばれ、履行されていれば、そう大きな間違いは起こらないのである。




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