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エコポイントって何だ?
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5月15日から、追加経済対策のひとつ、「エコポイント」制度がはじまりました。
ポイントを付与し、省エネ家電の購入促進を促すための制度です。しかしながらこの制度、決まっていないことが多かったり、他の制度と混同されていたり…
エコポイントとはなんなのでしょうか?
見切り発車されたエコポイント制度

この15日から「エコポイント」制度が始まりましたね。でも、これって何なのか、いまひとつよくわからないんですが。ポイントカードとかもらえるの?
この制度は、政府が発表した経済危機対策のひとつで、「エコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業」というのが正式名称です。
5月15日から、来年の3月末までに買った省エネ家電にたいして、ポイントがもらえます。
補正予算2900億円が成立することを前提とした制度で、ポイントの交換開始は夏頃の予定ですが、詳しい方法はまだ発表されていません。

家電量販店のチラシには大きくエコポイントの文字が。

急いで導入した感じですね。で、そのポイントは何に使えるの?
同じく省エネ家電を買ったり、ということがいわれていましたが、商品券やプリペイドカードなどにも交換出来る様になるようです。この詳細は6月中に発表される予定です。ポイントが付与されるのは来年3月末までですが、ポイントの交換期限は2012年の3月末までとなっています。

チラシには見切り発車の「お断り」が。

何に換えてくれるのか、正確にはまだわからないんだ。要らないものとしか交換出来なかったらいやだなあ。
まあまあ。まずは、この制度のねらいを考えてみましょうよ。
経済危機対策とは言ったけど、ねらいとしては「地球温暖化対策の推進」「経済の活性化」「地上デジタル放送対応テレビの普及」があげられています。
民間機関がインターネットで行った調査によると、この制度を知っている人は64.4%、そのうち66.9%が、エコポイント制度を機に家電を買い替えたい、としています。この調査での購入対象希望はテレビがトップですから、それだけでみれば、「経済の活性化」「地上デジタル放送対応テレビの普及」に対しては効果があるかもしれませんね。
ポイント数は、エコロジーかどうかに起因しない

どうして地上デジタルにしなければいけないのか、というのは気になりますけどね。見ていたテレビが、ある日から見られなくなるからテレビを買え、というのは、なにか釈然としませんよ。
たしかにそうですが、地デジについては、また別の機会に。
ところで、家電に対するエコポイント付与の基準は以下の通りです。

これを見て、どう思う?

大きい、値段の高い家電にたくさんポイントがつくんですね。
そう、その通り。量販店のポイントだったら、販売価格に対しての割合でポイントがつくことはわかります。ただ、これは「エコポイント」ですからね…。

エコ度が高いとポイントが高い、じゃないの?
たとえば冷蔵庫にしてもエアコンにしても、主力商品は省エネ性能が高い傾向にあります。ですから、一概に大型製品が悪いというわけではありません。ただ、冷房能力や冷蔵庫の容量、テレビの画面サイズというのは、エコかどうかを示す要素ではないですよね。それなのに、それを指標にしてポイントが決められているんです。
今回は対象となる家電に「統一省エネラベル星四つ以上」と定めているのですから、その省エネ基準達成率に対してポイントを出すなどのほうが、説得力があった気もします。

統一省エネラベルの例

でも、それだと高いものを買っても安いものを買っても、ポイントが同じになったりするでしょう。なんか損した感じ…
そうなんですよ。今回の制度は「地球温暖化対策の推進」だけがねらいではないですからね。なんてったって、高い家電をバンバン買ってメーカーを応援してください、ついでにこの際地デジ普及に協力してください、という訳ですよ。

なんか、怒ってません? 落ち着いてよ。
すみません。経済対策なのに「エコポイント」なんて名前がついているものだから、ちょっと憤慨してしまいました。
たしかに、冷蔵庫など、常時動いている家電では、製造時の環境負荷よりも、運転時に消費される電力による負荷の方が多いといわれていて、こういうものを買い替えることについては、温暖化対策の効果があるでしょう。
しかしながら、今回の制度は、買い替えに限定したものではありません。リサイクルの場合はポイントの上乗せがありますが、中古品は対象外であり、やはり「家電メーカーにお金を落としたい」「地デジの普及率を上げたい」という思惑の方が、どうしても強くみえるのですよ。
エコ・アクション・ポイントとの違い

だったらエコポイントなんて言わないでよ、ってこと?
そうです。これでは「エコロジー」ではなくて、「エコノミー」のポイントですね。じつは環境省で以前から取り組んでいる「エコ・アクション・ポイント」というものがあり、今回の「エコポイント」を、これと混同している報道もみられました。

「エコ・アクション・ポイント」はどういうものなの?
これは、温暖化対策型の商品・サービスを購入するとポイントがたまり、たまったポイントをいろいろなものと交換できるものです。

え、それじゃ今回の「エコポイント」と同じじゃない。
決定的に異なるのは、環境省の「エコ・アクション・ポイント」は、ポイントの原資を参加企業・団体が出すことです。それに対して、今回の「エコポイント」の原資は、補正予算として提出されていることからもわかる様に、税金によるものです。
そして、「エコ・アクション・ポイント」は、その名にもあるように、消費者のアクションを喚起するためのポイントです。消費者自らが選択して何か行動をおこしたことに対して付与されるのが特徴です。

そんな制度があるんだ。でも、聞いたことなかったよ。家電買ったら商品券と交換出来る、というほうが簡単だし。
「エコ・アクション・ポイント」は、まだモデル事業の段階で、企業も消費者も参加手続きが必要だし、まだまだ参加団体も多くないからね。
でも、例えば京都では太陽電池や太陽熱利用に対してポイントを付与する取り組みなどが行われています。パッシブソーラーシステムにもポイントがつきますよ。こういう取り組みが全国に普及していけばいいなあと思いませんか?
エコアクションポイント公式サイト
http://www.eco-action-point.go.jp/
エコ偽装も現れた

そうですね。自分の行動がインセンティブになる、というほうが素敵ですよね。で、話をエコポイントのほうに戻していい?
いいですよ(ちょっと語り足りない)。
とにかくいいたいのは、家電を使うことは、多かれ少なかれ、必ず環境負荷があるということ。古いものと比較すれば省エネかもしれませんが、使わなくてすむものを使えば、それはもう省エネではありません。また、リサイクル率もあがってきたと報道されていますが、一方で、「エコ偽装」も生まれてきました。

エコ偽装って、食品偽装みたいなもの?
そうです。エコロジーだ、省エネルギーだ、と言った方が宣伝効果が高くなります。今回のような補助対象になることもあります。
日立製作所の子会社が作っていた冷蔵庫は、リサイクル樹脂によって製造工程でのCO2削減をうたっていましたが、実際には部分的に混ぜて使っていただけで、宣伝通りのものではなかった、というものです。また、東芝のDVDレコーダーでは、省エネ達成率が95%だったものが、105%と表示されていました。どちらも、誤りだったとしており、意図的な偽装ではないとしていますが。
食品偽装に比べれば人体への影響も少ないとはいえ、好ましくないですね。家電は手元に残ってずっと使うものなので、そういう面ではタチが悪いといえます。
省エネ家電=省エネではない

消費者にはメーカーの発表したことしかわからないですからね…結局、自分で使ってみるしかないってこと?
商品比較サイトやネットの口コミなどもありますが、カタログスペックとしてはメーカーの出しているものがベースになりますね。
でも繰り返しのようになりますが、省エネ家電を買ったからといって、今まで以上にバンバン使うのでは、ちっともエコではないのです。何も、あらゆる家電を買うな、使うなとはいいませんが、暮らし方が重要じゃないかな。
参考サイト
価格.com エコ
http://eco.kakaku.com/ecosearch/
価格を調べるときにおなじみの価格.comに、省エネ性能で検索する機能があります。
サイズサイズドットコム
http://www.sizesize.com/
家電や家具のサイズが検索出来ます。

暑かったら窓を開ける、窓にすだれをかける、寒かったら一枚多く着る、みたいな?
そうです。テレビや冷蔵庫は、なかなか工夫でなんとかするのは難しいですが、必要以上に大型・消費電力の多いものにしないのは重要ですよ。ちょっと話がそれますが、ハイビジョンテレビで地デジを見るのと、従来型のブラウン管テレビで地上派放送を見るのとでは、適正視聴距離が違うって知ってますか?

適正視聴距離って? テレビからどれだけ離れるかってこと?
そうです。従来型のテレビは、画面の高さから約6倍が適正視聴距離。これに対して、ハイビジョン液晶は約3倍とされています。40型の場合、適正視聴距離は1.5mです。

えー、近いよ。テレビを近くでみると目が悪くなるんじゃないの?
昔はそういったけど、必ずしもそんなことはないようですよ。でも、いままで古いテレビが置いてあった場所に、同じ大きさの液晶テレビを入れたら、半分の距離に近づいて見るのがいいってことですからね。視聴距離だけでなく、厚みがあって場所をとっていたテレビが薄くなれば、住宅の平面計画も変わってしかるべきですね。
いいものを長く大切に使うことはできるのか?

テレビが薄くなって主張しすぎないリビングっていいですよね。ところで、そろそろまとめてくださいよ。
今回のエコポイントは、家電メーカーへの公的資金注入みたいなもので釈然としない面もありますが、古〜い冷蔵庫を使っている人は、この機に買い替えてもよいでしょう。エアコンやテレビは、冷蔵庫に比べると、ライフスタイルで使用頻度がかなり変わってくるので一概にはいえません。単に省エネルギーだけでなく、製造時の負荷から見ると、LCA(ライフサイクルアセスメント)を行い、かなり難しい判断が必要になります。メーカーが試算しているLCAも、ある条件に基づいたものですから、最終的にはそれらをもとに消費者が判断しなければ成りません。

まとめてって言ったのに、また新しい話になるの?
ごめんごめん。でも、住宅では、これまでのスクラップ・アンド・ビルド(作っては壊す)を見直し、「いいものをつくって、手入れをして長く使う」、という気運が盛り上がりつつあり、そういった面に国の予算もつくようになってきました。
家電と住宅では性質が違うといえばそれまでですが、家電でも、ものを大事にして、長く使い、それが結果的に省エネルギー・低環境負荷になるような仕組みがあると、うれしいですよね。メーカーには、そういった取り組みに期待します。





2009/6/22(月)15:17
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