興味津々
興味津々・No.054
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朝日新聞が、この4月から『エコウォーズ』という新しい連載を始めた。一面トップの記事で、この連載への意気込みが感じられる。最初のテーマは『新エネの壁』である。見出しは「風力をつかめぬ日本」。リードは「縦割り送電網障害」であった▼記事によれば、津軽海峡の海底に、北海道と本州を結ぶ送電線が敷設されていて、風力発電によって60万キロワット(一般家庭20万軒分)の電気を瞬時に送ることができるのに、縦割り送電網が障害になって、使用されているのはその容量の10数%ほどだという▼風力発電の適地は、人が住まない荒野が一番いいといわれる。南米のチリとアルゼンチンをまたがるパタゴニアが最適地といわれるユエンである。日本では、北海道、東北、九州に適地は偏在している。そこで得られた風力による電気を大消費地の都市部に送電しようとしても、北海道から九州までの電力9社が自社の管内を仕切り、完結的に行っているため、他社との間を結ぶ連係線と呼ばれる送電線が、事実上、使われていないのである▼ヨーロッパでは、国境を超えて送電線網が敷かれ、欧州連合(EU)全体で、新エネの割合を20%にする動きがあり、また、アメリカの新設発電設備の42%を風力が占め、オバマ大統領の登場で、グリーン・ニューディールが提唱され、それが加速されようとしているというのに、日本は一体どうしょうというのだろうか▼これまで日本政府は、温暖化対策に関しては原子力発電中心で考えており、電力各社も新エネに対しては積極的でないどころか、足を引っ張る役割を果たしてきた。すでに得られている風力エネルギーさえ活かそうとしていないことに、それは如実である▼太陽光発電については、最近の世界の動きに押されて、ひとまず「固定価格買取制」が敷かれることになった。風力についても、同じように電力に買い取り義務を負わせ、「固定価格制」を導入すべきである。朝日新聞の記事は、そこまで踏み込んでいないが、論調としては、そこに誘導したいという意図が根底にあるとみた▼政府は、パッシブな太陽熱エネルギー利用や、バイオマスエネルギー活用も視野に入れ、エネルギー変革の展望を示すべき時期に来ており、その方向に大きく舵を切ることが求められているのではあるまいか▼日清戦争の逸話に「木口小平は死んでもラッパを放しませんでした」というのがあるが、あれである。正露丸のラッパのマークは、この木口小平の逸話に由来しているとのことで、これをたとえ話にするのは木口小平に失礼ではあるが、今回の記事を読んで思ったことは、つまり電力各社は何があっても送電線を死守しようとしているのである。





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