興味津々
興味津々・No.053
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No.49に続いて、ネガティブ・エクイティについて書くことにする▼4000万円の家を3000万円で入手した場合、1000万円の純資産額を保有していることになる。けれども、その家が2000万円に下落した場合は、マイナス1000万円純資産額になってしまう。このマイナス(担保割れ)になっている状態をネガティブ・エクイティという。アメリカで住宅ローンを借りている人の5人に1人、830万人がネガティブ・エクイティに陥っている。世界不況をもたらしたサブプライムローンのもう一つの断面である▼オバマ米大統領は、住宅ローンの返済負担を緩和するため、金融安定化法案に基づいて750億ドルを投入すると発表した。ネガティブ・エクイティ(担保割れ)していても、とりあえずローンを払い続けることを支援するというのが、オバマの政策である。ローン元本を削減するのではなく、「払い続ける」支援である。大きな傷口に絆創膏を貼るようなやり方であり、焼け石に水といわれている。何しろネガティブ・エクイティは総額5千億ドルに及ぶというのだから▼ネガティブ・エクイティは対岸の火事ではなく、日本の問題でもあると前にも書いた。日本人は、土地所有への思い入れがつよく、それが持家保有の強力なインセンティブとなってきた。これまで日本は、50戸破壊しながら100戸新築するというスクラップ・アンド・ビルドを繰り返してきたが、それを支えてきたのが、土地価格の上昇であった▼高度経済成長期、500万円で買った土地が10年後に5000万円に上昇することが、あちらこちらで見られた。もしそこを5000万円で売却したとして、代替えの土地が、また500万円で求められるわけではないのに、日本人は保有資産が増えたと糠喜びした。保有している土地価格が上昇して生じるのは、固定資産税が上がることなのに、それさえも日本人は、まるで預金額が増えたかのように自分を納得させた▼しかし、資産となるべき土地が下落し、ここにきて土地神話は完全に崩れつつある。一方において、長引く景気低迷とリストラ、企業倒産、年金等の不安が増大し、住宅ローン利用者の6人に1人が潜在的なローン破綻者となり、日本においてもネガティブ・エクイティが現実化するようになった▼土地の下落だけでなく、住宅の耐用年数は、アメリカ、イギリスなどと比較し非常に短く、20年を超えると建物の市場価値がなくなる。そもそも建物の評価手法自体が「不動産」とはいえない薄弱なものである。そこを根本的に改めようというのが、今回の長期優良住宅であるが、業界は性能評価など技術面に汲々としていて、木をみて森をみない現状にある▼将来、ネガティブ・エクイティにならない住宅をどうつくるか、この根本理解がないと、長期優良住宅先導的モデルに出される補助金200万円も、12,000円の定額給付金や土日祭日の高速道路1000円に似ていて、とりあえず有難いということになりかねないのである。






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