興味津々
興味津々・No.051
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この月末の土日祭日から、高速道路はETC利用者についてのみ距離に関係なく、一律1000円の料金になる。渋滞が予想され、各行楽地での混雑が予想されている。この不況時、決して悪いことではないが、土日祝日が休みでない人は利用できず、ETCに限られるのはどうか、という意見がある。それらも問題だが、最近、「行楽地」について考え込むことがあった▼それは、越中五箇山と飛騨白川郷でのことだった。この二つの合掌造り集落は、世界遺産に選ばれている。越中五箇山へは、散居で知られる砺波の平野部から、随分山深いところにあるものと記憶していたが、東海北陸道が開通したことにより、五箇山インターチェンジまでは僅か16キロの距離になった。トンネルによって一気に距離が縮まったようである。これは飛騨河合から白川郷に抜ける大トンネルにも共通していて、トンネルというものが、これほどに距離を近くすることに改めて驚いた▼五箇山インターチェンジからほど近くに、菅沼の合掌集落見学者のための駐車場が設けられている。この駐車場から菅沼集落へはエレベーターで降り、地下道を抜けると菅沼集落という次第である。集落の入口で目に入るのは、耕地整理された田圃である。かつてこの集落を訪ねた折、段々畑が、蛇行する庄川に向って落ち込んでいた印象を持っていたが、これも覆った▼不便だった五箇山が、文明によって開かれることに文句をつけるわけではないが、かつての面影が失せてしまったことは淋しく、集落に入って、合掌造りの家々が、お土産物屋だの蕎麦屋だの、みんなお店になっていることに、世界遺産になるとは、こういうことなのかと思い唖然としたことは確かである▼五箇山は、赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つの谷からなるので「五箇谷間」となり、これが転じて「五箇山」の地名となった、といわれている▼菅沼集落には、現在9軒の合掌造りの家があるが、蕎麦、五平餅、おぜんざいの看板のある一軒に入ったところ、食べ物は特徴がなく、おいしくもなかった。部屋には「こきりこ節」や「麦や節」などの民謡が流れていた。この菅沼集落に、もう一度訪ねたいという気にならない人がいたことは、行楽地の持続可能性からいっても具合が悪いことである▼さらに白川郷はというと、こちらはもう、人、人、人でごった返していて、集落全体がテーマパーク化していた。ブルーノ・タウトが、下呂は下品だが白川郷はいいということを書いていて、それは「スイスの幻想」だと称えたのだが、土日祝日1000円の高速料金でこれから拍車が掛かるのは、こういうことかと慨嘆を覚えるのである。




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