興味津々
興味津々・No.042
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エドワード・シルベスター・モース(Edward Sylvester Morse,1838年6月18日〜1925年12月20日)が書いた『日本人の住まい』(斎藤正二・藤本周一訳 八坂書房刊)を再読した▼モースは、明治初期の東京大学で生物学を講じたお雇い外国人として知られる。アメリカ合衆国・メイン州ポートランドの生まれ。ハーヴァード大学で動物学を学んだ。船で横浜に着いて、新橋に向う汽車の窓から貝殻が積み重なっているのをみて、すぐにそれが貝塚であることを知ったという。大森貝塚(東京都品川区・大田区)の発見は、実にあっけないものだった。大森貝塚の発掘によって、日本列島に石器時代が存在したことをモースは立証し、貝塚から出土した土器に縄目文様が付いていることに注目した▼モースは生物学や考古学だけでなく、日本の陶磁器や民具にも関心を持った。住居・服飾などのスケッチ・図面・写真を数多く残しており、『日本人の住まい』(原題 Japanese Homes and Their Surroundings)は、モースが残した日本の家屋の記録である▼章だては、家屋の形態、家屋内部、入口と入り道、庭園、雑事、古代家屋、日本本土周辺の家屋からなっており、読み応えのある一冊である▼この本のおもしろさは、明治の初頭に「お雇い外国人」として、この国の家屋に住んだ戸惑いと怨嗟の声である。「日本の家屋は、大多数の外国人にとって、気苦労と困惑との絶えざる種子となっているからである。わけても、イギリス人は、エマーソンも言っているとおり、なにしろ『靴を履いてしゃんと起居することにかけては、あらゆる国民のなかで自分たちこそがいちばんである』といった自覚を持っているものだから、日本の家屋の、その見るからに脆弱でいまにも倒壊しそうな建築構造には、ほとんどまったく価値を認めていないのである」▼そうか辰野金吾は、そういうイギリス人に建築を学んでトラスを日本に持ち込んだのだということを、肉感的に理解されておもしろかった。モースは、そうした外国人に対して、まったく違う視点から日本の家屋を観察した▼「大多数の外国人著作家が犯してしまっている誤謬は、これら外国人の著作家が、この種の日本的諸事象をば、日本人のがわの見地からみようとしていない、という点である」とモースはいう▼騙されたと思って読んでみてほしい一冊である。






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