興味津々

興味津々・No.041

2009年02月04日 水曜日
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ふとんたたきマンガ家の楳図かずおが、東京・吉祥寺に「まことちゃんハウス」と呼ばれる新居の建築を始めたのは、2007年3月のことである。建築会社の事前説明では、本人のラッキーカラーでもある赤と白のストライプを外壁にあしらい、屋根には「まことちゃん像」を設置するという奇抜なもので、これに対し近隣住民2人が、「色彩の暴力であり形の暴力である」とする建築差し止めの訴えを起こしたが、判決は原告の訴えを棄却した▼この事件はワイドショーや週刊誌、スポーツ紙などでも盛んに取り上げられたが、判決結果に対して、テレビ報道は、概して「まことちゃん」側に好意的だった。それはインタビューの紹介にもよく表われていて、近所の人の声として「かわいい」「子供たちは喜んでますよ」「別に住みたくはないけど許せる範囲」が紹介され、「ゴミおばさん」には、露骨に嫌悪するものの、この家に対しては、楳図かずおらしい独特なセンスが光っているという評もあったりして、訴訟に及んだ近隣2名の住民に対する批判・非難の声が強かった▼この住宅を非難するほど、日本の都市景観が美しいものかといえば、住宅街の一角にラブホテルやパチンコ屋の建物があり、節操がなく、奇妙な外観、色彩の建物はあまた数えるのが現実で、その点からいうと「まことちゃんハウス」は遊園地の建物っぽくて、「かわいい」という言い方は成り立つのかも知れない▼しかし、あえてこれを告発した近隣二軒の住人の勇気を、もう少し買ってよいのではないか。批評力を持ったマスコミが機能していたなら、これを種に「景観論争」を繰り広げることも可能だった筈で、その機会を逸してしまったマスコミこそ非難されるべきではなかったか▼楳図邸は、客観的にみて趣味がいいとはいえない。しかし、これより酷いものは他にもたくさんある。マスコミの取材力を活かして、これを調べ尽くし、俎上に乗せたなら、ワイド番組的にも非常におもしろい番組になったことであろう▼パリの住人は、「都市に住むとは窮屈なものだ」という。田舎は野放図が許されるが、洗濯物一つ干すにも、外観のペンキの色を決めるにも、いちいち規制があって、厄介で煩いのが都会である筈だが、この国においては、都市と田舎が、ちょうど反対になっているのではあるまいか。

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