興味津々
興味津々・No.034
- 小
- 中
- 大
宇宙船倫理を最初に提案したのはフラーである。地球を、漆黒の宇宙に浮かぶ船にたとえて、その船は「内部に内的維持システムを持っているが、そのシステム自体は有限で閉鎖的である」という観点に立った考え方である▼海外で大きな事故があると、そこに日本人が含まれていたかどうかが真っ先に報道される。含まれていないことが分かると、アナウンサーは安堵したような表情になる。それは日本の報道のレベルを示していて、インターナショナルな倫理観の欠如を意味しないだろうか▼このレベルはアメリカという国と似ている。アメリカは、同時多発テロでなくなった人を問題にするが、大量破壊兵器がなかったのに、あるといって乗り込んだイラクで10万人の死者が出たことは問題にしない▼問題になるとしたら、イラクで5000人の戦死者が出たということで、いずれにしても自国内のことである。アメリカしか知らないアメリカ人が圧倒的な国ならではのことである▼日本は島国で、外国のことを割とよく知っている筈なのに、また、外国とよき関係を持たなければやって行けない国なのに、日本人に被害者がなければ、アナウンサーはほっとする顔をするのである。何と浅はかな、と思わないではいられない▼けれども、今年のアメリカは、大きくチェンジすることだろう。アメリカ合衆国第44代オバマ大統領の就任式は、ワシントンで1月20日に開かれる▼オバマは選挙後の演説で、「民主主義を疑っている人がいるなら、今夜がその答えだ」と言った。初の黒人大統領になる自らのことを、建国以来の理念に重ねて、「すべての人の平等をうたった1776年の独立宣言、1863年の奴隷解放宣言などとともに、アメリカの歴史に刻まれる偉大な1行」とも言った▼オバマには、日本の政治家には期待できない、言葉のきらめきがある。オバマがやろうとしている環境政策で特徴的なことは、環境政策と雇用政策が一体になっていることである▼省エネ対策や新エネルギー利用を進める「グリーン・ジョブ」は、世界大恐慌に直面したフランクリン・ルーズベルト米大統領が行った「ニュー・ディール」政策にならって「グリーン・ニューディール」とも呼ばれている▼これはオバマその人の資質によるものであるが、同時に、オバマの選挙がアメリカの若者たちの圧倒的な支持のなかで当選したことが大きいとみていい▼日本はチェンジできるのだろうか。




コメントはこちらから!