特集
実はよく知らなかった大掃除のこと
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画:高田光美
みなさん、もう大掃除はすみましたか?
会社などでは、年末の最終日に行なわれることが多い「大掃除」。
この大掃除、かつては12月13日に行なわれていました。
12月13日は、正月事始め。新年を迎える準備を始める日です。
本当は掃除に向かない日本の年末
さて、由来は少し後にして、掃除がしやすいのって、どんなときでしょうか?
欧米では、「Spring Cleaning」という習慣があるそうです。気候のいい春に大掛かりな掃除をする、ということでしょうか。

春に行なう方が合理的だけど…
INAXが東京、マドリッド、ニューヨーク、ベルリンの主婦を対象に行なった調査http://www.inax.co.jp/company/news/2008/080_newsletter_0326_214.htmlによると、上位にはいった時期は、日本の12月を除いては、暖かいシーズンばかりです。この調査からも、実は日本の「大掃除」は、「Cleaning」だけを目的としたものではないことが読み取れます。
| 位 | 東京(n87) | マドリッド(n77) | ニューヨーク(n65) | ベルリン(n78) | ||||
| 1 | 12月 | 67.8 | 決まっていない | 67.5 | 4月 | 24.6 | 決まっていない | 50.0 |
| 2 | 決まっていない | 26.4 | 6月 | 7.8 | 3月 | 21.5 | 3月 | 15.4 |
| 3 | 5月 | 3.4 | 7月、8月、9月 | 各3.9 | 5月 | 18.5 | 4月 | 12.8 |
「掃除=Cleaning」だけではない、という視点に立って、家と掃除を考えてみましょう。
大掃除、もとをただせば宗教行事
大掃除の元になったのは、「すす払い」といって、新年の安泰と五穀豊穣を祈願し、年神を迎えるために家の中を掃き清める、というものでした。

大掃除は、新年に年神を迎えるための宗教的行事だった。
また、近代の大掃除でも、神棚のお札の埃をはらい、新しいものに取り替える準備という要素が多分に残っています。
現代の大掃除では、宗教的要素は減ってはいるものの、単に汚れを落とす、片付けるといった物理的行為だけが目的なのではなく、新たな年を迎えるにあたっての精神的な要素を多分に含んだ行事と言えるでしょう。
掃除はメンテナンスの入口です
大掃除が、清掃目的だけではなかった、と聞くと、何だかちゃんと掃除をするのが嫌になってしまう人もいるかもしれません。
でも、せっかく家のいろいろなところを掃除するんですから、この機会に、家が健康かどうか、チェックしてみませんか。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が配布している「マイホーム維持管理ガイドライン」http://www.jhf.go.jp/customer/hensai/hosyu/kanri.htmlでは、では、多くの箇所がだいたい10〜15年程度で取替えや全面補修となっています。
現在の日本の住宅の耐用年数は二十数年程度と言われており、このメンテナンスを一度やるかやらないかで、その寿命を終えてしまうことになります。
| 点検部位 | 主な点検項目 | 点検時期の目安 | 取替えの目安 |
|---|---|---|---|
| アルミサッシ |
すき間、開閉不良、 腐食、付属金物の異常 |
2〜3年ごと |
15〜30年位で取替えを 検討 |
| たたみ床 | 凸凹、ダニ、変色、汚れ |
年1〜2度たたみ干し 2〜3年裏返し |
裏返してから更に2〜3年 |
| ユニットバス |
ジョイント部の割れ・すき間、 汚れ、カビ、排水口のつまり |
1年ごと |
10〜15年位で全面取替え を検討 |
住宅金融支援機構「マイホーム維持管理ガイドライン」より抜粋

たたみは2〜3年に一度裏返しましょう。
掃除のしやすい家って?
収納
住宅新築のときによくある要望が「掃除がしやすい家」と「収納がたくさんある家」です。
収納(片付け)と掃除は厳密には別物ですが、ものが散らかっていると掃除がしにくいため、生活の度合いに応じた収納があることは、掃除のしやすい家の条件の一つだと言えます。
バリアフリー
掃除機を使う場合には、家の段差が結構気になります。バリアフリーデザインは、掃除機をかけるという前提なら、掃除がしやすいといえるでしょう。
建材
水の表面張力を壊して排水を促すお風呂の床や、酸化チタンの光触媒効果によるセルフクリーニング機能を持つ建材などが登場しています。
設備
トイレやエアコンなど、セルフクリーニング機能付きのものが登場しています。
さあ、これらを全部つけたら素敵な家!…??
か、どうかは、わかりませんね。要素技術と設計は、また別のお話。
人が生活すれば、どうしたって汚れが出ます。ある程度の清掃は、どうしても行なわなければなりません。表面に汚れが堆積しにくい建材などは出てきていますが、空気を含め、見えない埃は部屋中に散乱しているのです。
「掃除のしやすい家」を考えるときには、家の空気のことも、よく考えましょう。
環境負荷の少ない掃除を

掃除といえば「化学薬品」になってしまっていませんか?
界面活性剤自体の種類は2000とも3000ともいわれており、食用に利用出来るものから、催奇性を持つといわれるものもあります。このように、全てを一口に括るのは早計ですが、大量に排出された合成界面活性剤は、河川での微生物の活動に影響を与えることがあるとされています。

軽い汚れなら、重曹とクエン酸でかなりきれいに。
家の汚れの多くを占める油(酸性)は重曹(アルカリ性)で、トイレなどの汚れ(アルカリ性)はクエン酸(酸性)で掃除をすると、おもしろいぐらいに汚れが落ちます。あまりにも蓄積された汚れは合成洗剤を使わないと厳しいかもしれませんが、日頃から掃除をしていれば、重曹とクエン酸で、大抵の汚れは落ちてしまうのではないでしょうか。
とはいえ、どちらも化学反応を利用するため、使用する場所によっては適さないこともあります。重曹で木や畳を掃除するのは御法度です。クエン酸も、鉄素材に残留したままだと錆を誘います。こうしたことに注意して、安全に楽しくお掃除しましょう!


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