興味津々

興味津々・No.031

2008年12月17日 水曜日

ゆたんぽ今年7月、日本政府は、太陽光発電を普及させるために「低炭素社会づくり行動計画」を発表し、太陽光発電の導入量を2020年に現状の10倍、30年に40倍にするとしている。家庭用太陽光発電に対する補助金、1キロワット当たり7万円も復活させた。200万円以上掛かる設備だと20~30万円割安になる▼日本の太陽光発電は、全発電量の0.1~0.2%でしかない。政府は、太陽光発電を取り付ける費用の一部を所得税から控除したり、太陽光発電付の新築住宅を住宅ローン減税で優遇することを決めており、積極的に普及に乗り出したのはいいことである▼しかし、設置の際の補助金だけで、ほんとうに普及するのだろうか。ヨーロッパで太陽光発電が爆発的と言っていいほどに普及したのは、自然エネルギーからつくられた電気を、電力会社に高く買わせたからである。自然エネルギー普及の世界の流れは補助金ではなく、長期間固定された優遇価格で買い取る「固定価格買取制度(フィードイン・タリフ=FIT)」によるのである▼町の工務店ネットが発行した『住まいを予防医学する本』でも、本欄でも指摘してきた、固定価格制度がものを言っているのである。補助金は、一種の固定枠制とみるべきで、予算枠がそのまま数量を決定する。「価格」制と「枠」制とそんなに違うのか、と疑問を持つ人がいるかも知れないが、天と地ほど違うといっても過言ではない▼ドイツの電力買取り価格は、08年でみると1キロワット当たり日本円換算で42~62円である。この価格は、ドイツでは20年間保証される。投資としても成り立つため、多くの人が発電システムを導入し、出資したりする。これは風力発電やバイオマス・エネルギー利用についても同じことである▼電力会社の意向を汲むなら、政府が電力会社に差額を補填するやり方もある。補助金を充てれば、ほぼ同予算でやれる筈である。にもかかわらず、政府はこの問題になると二の足を踏んでしまう。「構造改革」されないのである▼結局、日本は電力会社や一部政治家、官僚の原発志向に固まっていて、ヨーロッパの先導的な普及から学べず、「枠」を取っ払えないでいるのである。今回は太陽光発電について言及したが、もっと実際的なエネルギーに太陽熱がある。光だけでなく、熱を省エネの対象にすると、やれることはたくさん残されている。

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