特集

コンビニ食を考える

2008年12月12日 金曜日
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コンビニイラスト
イラスト:小野寺光子

深夜

ローソンのテレビ・コマーシャルに「街のホットステーション」というのがあります。
夜中は心細いもので、ものみな寝静まった街に、そこだけ明かりが灯っていて、人がいるのは、たしかにほっとするし、励まされるものです。
コンビニの照明照度は高く、エネルギー多消費型とされ、自治体によっては深夜営業を禁止しているところもあります。コンビニから排出される温室効果ガスは、CO2換算で267万トンに達し、この量は青森県や滋賀県の全世帯から排出される量よりも多いのが実情です。
けれど、解雇されて眠れない夜を過ごす派遣社員がいたとしたら、このコンビニの明かりは、一つの救いなのかも知れません。コンビニ食にはおでんが欠かせないアイテムだそうで、これは夏でも売られています。

コンビニの灯に救われる人もいるが…

コンビニの灯に救われる人もいるが…

コンビニは、「貧者の灯」だといった詩人がいます。
全国に散らばっている、小さな「アキバ」(寄る辺)だと評した人もいます。
三交替勤務の派遣(そう、今や不安定労働の代名詞とされる派遣労働者)やニート・深夜パート・風俗労働・夜間塾教師・受験生などにとって、そこはたしかに救いの場なのかも知れません。エロ・グロ・ナンセンスの雑誌売り場に立ち読み(ビニールにパッケージされていて立ち読みできない雑誌もある)するおじさんは、もの悲しくありますが……。

それは、夜だけのことではありません。

朝5時

朝5時にコンビニに寄ったら、ニッカズボンの若者が、おにぎりと弁当とお茶(温かいのと冷たいのと)を買っていました。レジに、ちょっと待ってといって、急いでバナナも買っていました。彼はこれから寒風の工事現場に赴くのでしょうか。コンビニを出た彼は、車に乗り込んで早速おにぎりを頬ばり、温かいお茶を飲んでいました。お弁当と冷たいお茶とバナナは、彼のお昼の腹をきっと満たすのですね。

昼もコンビニという灯に人が集まる。

昼もコンビニという灯に人が集まる。

それは彼の一日の「灯」であって、いうなら昼間もコンビニは明かりを灯しているのです。コンビニは、それを貧しい食事と文句いうのは自由だけれど、彼の毎日にとって欠かせない存在なのです。
近くの独り暮らしの老人、すぐに地べたに坐る中学生、セールスマン風の男や女、500円玉を握り締めて菓子パンを買う子どもなど、昼は昼でひっきりなしに人がやってきて、そうしてビニール袋を提げては帰って行きます。
日本経済新聞12/9は、高齢者のコンビニ利用の増加を伝えています。セブン-イレブン・ジャパンの2007年度の顧客のうち、50歳以上は21%と、10年前と比べて8ポイント増だそうです。特に100円で買える冷凍食が人気だそうで、冷凍食品全体の販売数量は、前年比で20〜30%も伸びているという話です。
独り暮らしで車を持たない老人にとって、郊外大型店は不便なもので、街なかの商店はシャッターが閉まってしまい、コンビニはそれに代わる存在になりつつあるようです。コンビニは歩いて行けて、少量で、それだけを取り出せば安価ですので。

カロリー制御

コンビニ食は、カロリー制御をしやすいという意見があります。

割高ではあっても便利なコンビニ食。

割高ではあっても便利なコンビニ食。

食品の多くはカロリー表示されており、それをみることで総量の目安になります。コンビニの食べ物は、適当な量にパックされていて、割高ではあるけれど、独り者には便利この上ありません。もしコンビニがなくなったら、たくさんの人が困りますもの。
車社会にさせられて、車がなければ生活できない羽目に置かれているのと同様に、コンビニがないと暮らせない人は増えていて、コンビニはそうした人たちの生活光景を映し出していて、それはまるで現代日本社会の縮図を見ているようである、と評する人もいます。
もし、コンビニなかりせば、コンビニ難民が発生するのは必定で、今や、それほどに多くの人の生活に食い込んでいるのがコンビニです。だから、コンビニは「悪」だけれど、「必要悪」であって、なければ困る人がたくさんいるし、コンビニ食は、その人たちの胃袋を満たしていることは疑う余地のないことです。
にもかかわらず、コンビニ食でいいのか、本当にいいのか?
というのが今回の特集です。

コンビニ食をエサにした豚が死産した、という有名な話。

コンビニ食の反対論は、「コンビニは保存料が多い」という指摘から、「コンビニ弁当を食べさせた豚に奇形ばかりが生まれ、死産した」という強烈なものまであります。
後者の指摘は、西日本新聞社発行のブックレットに記載されたものです。
福岡県内の養豚農家で、あるコンビニの弁当やおにぎりを母豚に毎日3キロずつ与えたところ、奇形や死産が相次いでいたことが分った、というものです。この記事は、福岡県で最大部数(約63万部)を発行する西日本新聞社の連載記事「食卓の向こう側」をブックレットに収めたものでした。
記事によると、この農家が与えたコンビニ食は、回収業者が持ち込んだもので、期限切れとはいえ、腐っていたわけでなく、農家の主が月20万円のえさ代を浮かせるのにいいと考えて試したものでした。母豚の透明なはずの羊水がコーヒー色に濁っていたなど、記事は具体的な内容を持っていたものですから、全国に衝撃を与えました。
コンビニ弁当は豚にどんな影響を与えたのか?大手コンビニエンスストアは、賞味期限切れの弁当や総菜を回収し、家畜の飼料としてリサイクルする事業を展開しています。それは、コンビニから発生する膨大な食品廃棄物の排出削減になり、家畜飼料の輸入を減らし、国内自給を高める効果が期待されます。さらには、リサイクルしたコンビニ食飼料を豚に与えると、良質の豚肉ができるという話もあって、三方都合のいい話のように言われていましたが、西日本新聞社の記事は、これにカウンターパンチを与えるものとなりました。

ほんとうのことを知るのがいいか、「知らぬが仏」か?

コンビニ食の反対派が問題とする点は、

  • 化学物質を含んだ食品添加物・保存剤が用いられていること。
    例=保存料、着色料、発色剤、甘味料、漂白剤、増粘剤、改良剤、調味料等。
    発ガン性や変異原性のある添加物が使用されているのでは?
  • 野菜サラダなどに用いられる農薬漬けの中国野菜と、その洗浄不足。
  • 脂質とタンパク質も異常に多く、原材料も原産地も不明の食材が多いこと。
  • 規制範囲内の量であっても、相乗作用が考えられること。
  • 弁当容器には酸化防止剤が入っており、それが溶け出している心配があること。
    加熱目安時間を超えると有害物質の放出量が高い値を示すデータが確認されている。
  • 生産地・成分表示が、偽装表示の疑いがつよいこと。
  • 長期間食することによる人体への影響が大きく、人類を破滅させる。
  • 食品廃棄物の量が大きく、それをエサや肥料にすることによる汚染の再生産。
  • 突然死、アトピー、花粉症、喘息、いじめ、大人も子どももキレやすい等、体を「超過敏」にさせる有害物質が、毎日食べる「コンビニ弁当」に含まれているのでは?

といった内容です。
書籍でこれを追っているのは山田博士氏です。

『脱コンビニ食』(平凡社新書)、『あぶないコンビニ食』『続あぶないコンビニ食』(三一書房)、『最新危ないコンビニ食』(現代書館)など、たくさんの本が出されています。これらを読むと、にわかには信じ難い、驚くべき事実が次々と語られています。
前に危ない食品をめぐって『週刊金曜日』から出た本に似ていて、企業から広告をいただいている大手新聞社には絶対に書けない内容ばかりです。
でも、こういう本を読むと何も食べられなくなると言って、最初から拒否する人が少なくありません。ほんとうのことを知っても、今更、生活を改められない人にとっては「知らぬが仏」です。
たしかに書き方がセンセーショナルで、引っ張り力のつよい筆致で書かれています。2ちゃんねるもそうだけど、言論の自由はあるというものの、ややこしい世界に入りたくない人は多くて、それは人は偽悪を知りながら生きるのは苦痛であり、すぐには生活そのものを改められないからです。知れば自分が惨めになります。知ってしまったら、精神のバランスを保てなくなる人が出るかも知れません。
一方、こんなことを書かれてコンビニ側はどうするんだろう、とみていると、無視を決め込んでいます。反論すると、かえって話題が大きくなって、相手の思うツボになると考えているのでしょうか。過剰反応しないことだ、とひたすら穴の中に潜っている感じです。でも、コンビニには説明責任があります。何も言わないで通すのは、ズルイといわなければなりません。

中国野菜の農薬、洗浄問題

コンビニ弁当に入っているシイタケ、レンコン、にんじん、サトイモ、野菜サラダに用いられている野菜のほとんどは中国野菜といわれています。日本の商社によって日本用に作られ、害虫除去のために多量の農薬や添加物が用いられています。また、収穫されたものがしっかり洗われてはいないのでは、と疑問が持たれています。
疑問の根拠は、しばしば起こっている農薬事件であり、水不足と水質汚染に悩む中国で野菜を洗う水を確保できるのか、という疑問です。
中国の化学肥料の使用量は、年間4124万トン、農地1ha当たり400kgに達します。この使用量は国際的に安全限界とされる1ha当り225kgを大きく上回ります。その半分は農地と作物に吸収され、もう半分は蒸発するか、流れ出して、水・土壌・大気汚染を引き起こしています。それによって、国の湖沼の75%、地下水の50%が汚染されています。鳥が見当たらない湖沼に行くと、不安を通り越して危機的なものを感じないではいられません。
中国は、前漢王朝の時代(紀元前202年〜紀元8年)に、すでに人糞を肥料として使用し、それが平安時代に日本に伝えられ、日本の回収型農業(都市⇔農村の循環システム)の確立をみました。中国も日本も、ついこの間まで回収型農業を続けていましたが、今では共に化学肥料オンリーになっています。

中国では、水の汚染に加え、洗浄に使う水そのものの不足も。

中国では、水の汚染に加え、洗浄に使う水そのものの不足も。

また、中国の水問題についていうと、化学肥料による汚染問題と共に、水そのものの不足が挙げられます。
中国は、1970年代以降、工・農業用水の需要増大に伴って、下流部で流量不足になり、河口付近では長期にわたって断流するなどの問題が起きています。揚子江と並ぶ大河、黄河の断流は、年間226日の日数を記録した年もあります。
黄河下流部で、日本の野菜をたくさん生産している山東省の農家は、もともと灌漑用水の約半分を黄河から、残りの半分を井戸から取水していました。しかし、都市人口が膨張する中で、農家の水利権が高騰化し、深井戸の掘削を強いられ、水争奪戦が激化しています。
農薬汚染と深刻な水不足が進行する中で、日本に輸出される野菜だけが、農薬から免れ、また、きれいな水で洗浄されるというのは、およそ考えにくいことです。

食品添加物の市場規模を取り出してみると、日本は約8,000億円の市場規模を持っているといわれます。農薬企業は市場原理で動いていますから、日本においても安全基準とされるギリギリのものを選んでいます。使用量も違反量すれすれまで利用していることは想像に難くありません。ここまでは「安全水域」を巧みに守るのがプロというわけで……。
また、そういう会社に原材料を提供し、輸出入を仲立ちする商社も、添加物を「使わない」という選択肢は許されていません。農薬を使わなければ儲かりませんので。

原材料の安全性は確保されているか?

原材料の安全性は確保されているか?

こうしたメカニズムの中で日本も中国も動いており、「時は金なり」で動いている中国では、いっそう露に進行しています。
コンビニのお弁当に用いられている野菜や漬物類なども、ほとんどが中国産といわれており、コンビニ食がそういう性格を持ったものであることは間違いないようです。
また、コンビニの深夜営業(大手12社のフランチャイジー95%が24時間営業)は、フランチャイズ本部の方針にしたがうものであり、それはコンビニ独自のチャージ(粗利)計算が基になっています。コンビニ会計では、廃棄処分されるおにぎりやお弁当も、売上に組み込まれます。コンビニ本部の利益は、加盟店からのロイテヤリティと加盟店の粗利の一定の割合(チャージ料/粗利の約4割)からなっています。深夜におにぎり一個しか売れなくても、そのチャージ料は本部に入ります。24時間を開いている経費は加盟店が負担しますので、本部は開いていれば、その分、利益があがります。これも、コンビニをめぐるメカニズムの一つです。
もう一つ挙げると、コンビニの加盟店は、自分が選んだ商品は扱えません。フランチャイズは、東京で食べるケンタッキーも、鹿児島で食べるケンタッキーも一緒の味、一緒のサービスが基本です。コンビニも一緒です。いくら自分が気に入っていても、扱いたくても、それはご法度とされます。
コンビニのレジスターは、それ自体、本部がその店の売上げを把握するためのマシンになっており、また市場調査のためのマシンでもあります。コンビニによって、それまでの市場調査の方法は根本的に改まりました。一つの飲料水が売れ筋のものかダメなものか、数日で決まります。かくしてコンビニには、売れ筋のものだけが残ることになります。
時間を経て、段々人気が出るものはコンビニからは生まれません。売れ筋のものは、ほかも真似しますので、似たような商品が増え、個性が摩滅します。
コンビニが持つ、このメカニズムは統制的・一元的なものであり、今回、コンビニ食を考えるにあたっても、そこから生まれる食生活の性格をよく知っておくべきでしょう。

コンビニ食を、リスク論で考える

あるwebサイトに、こんな投稿がありました。

「食の安心・安全は確かに重要だけど、本来適量に用いれば化合物に対して過剰に反応しすぎな側面があるのは正直どうかと思う。水だって体重1kgに対して50g摂取すれば下痢になるし、エタノールだって体重1kgに対し1gも摂取すれば50%以上の人は目眩、嘔吐する。酢酸だって似たようなもの。私は上述の化合物なら忌憚なく口に入れられる」

この人が言っていることは間違っていません。
学者は、すべての物性には毒があるといいます。塩だって、砂糖だって、摂取にはおのずと許容量があります。化学物質を含んだ建材は、それ自体、毒を含んでいるのであり、絶対に「安全」ということはありません。
車に乗るということは、事故に出遭う確率があるということです。飛行機も同様です。登山に出掛けるのも、リスクが大きいと誰もが思っています。しかし、散歩だからといって危険がゼロということはありません。
何だってリスクを伴います。自覚的かどうかは別にして、人はリスクの中を生きているのです。
リスク学では、確率と許容量が問題とされます。
能登半島地震の確率は、1000分の1の確率で起こったものだそうです。一方、ジャンボ宝くじが当たる確率は500万分の1です。
多くの人はよもや自分のところで、そんな確率で地震が起こるとは思っていません。また、宝くじに当たることはないだろうけれど、もしや当たるかも知れないという期待は高く、よもや500万分の1の低さとは思っていません。いいことは想像でき、悪いことは想像したくない人間の本能が、そこに働いているわけですが、確率は、いつも冷厳とした事実としてあり、それに当たるリスクが多いか少ないかを考えるのが、リスク学の要諦です。
許容量の話は、レントゲン線量の話が分かりやすいので、『住まいを予防医学する本』に書きました。
超高度飛行するジャンボジェット機のパイロットは、実は病院のレントゲン技師よりも多くX線を被曝しているといいます。それでも許されているのは、許容量を超えることはあるまい、という判断が働いているからです。パイロットの飛行時間は、飛行経験を表わすものであるだけでなく、医療的にも意味を持つのです。
化学物質過敏症の疾患は、この許容量を超えたときに発症するもので、ちょうどそれは、貯水量を超えたダムが決壊するようなものです。一度、ダムが決壊したら造り替えないと元に戻りません。それと同じように、化学物質過敏症を発症すると、ごく微量の化学物質にも反応するようになります。極端な場合は10億分の1g(ナノグラム)、1兆分の1g(ピコグラム)の化学物質にも反応するといわれます。

有害物質の許容量とリスクをどう考えるか。

有害物質の許容量とリスクをどう考えるか。

コンビニ食でも、この確率と許容量が問題になります。
煙草を吸い続けていても長生きする人はいます。しかし、確率としてみれば、煙草を吸わない人より吸う人の方が肺ガンになる確率は高く、煙草は、日本における化学物質のリスクランキングの断トツ1位です。
コンビニ弁当を一回食べただけで、食中毒でもなければ死ぬことはありません。病気にもならないでしょう。しかし、どうなのか、といわれると、たいがいの人は好ましくない、と答えると思います。
芝浦食品衛生研究所は、平成2年から継続してコンビニの食品衛生を調査研究してきた機関です。この研究所の調査結果によると、25歳でコンビニをまったく利用したことがない50人と、ほぼ毎週コンビニを利用している50人を比較したところ、毎週利用している人の体内から、30倍もの高い値の重金属含有量が認められたといいます。骨密度の減少傾向や、異型白血球数の増加なども認められ、この研究所はコンビニ食を食べ続けるのは身体に有害だと結論づけました。
コンビニ食には、合成着色料・合成保存料・合成発色剤・酸化防止剤・化学調味料などが付きものです。そしてコンビニ食は、これらを複合的に摂取しているわけで、それがどこまで身体に影響を及ぼす許容量と関係があるのか、また、それぞれの化学物質がどこまで身体異変を起こす確率があるのかは判然としません。しかし、これだけ多くの日本人が口にしているものなので、政府官庁は徹底的に調査に乗り出すべきです。

「30倍もの高い値の重金属含有量」が出たという問題は、小さな食品衛生研究所の調査だからといって無視していいことではありません。日本社会に広がる不穏な空気を払うには「まず食が問題」だという人がいます。
いろいろ調べてみて、リスク論の見地からは、コンビニ食は問題があるといわなければなりません。安い外国産食材を用いて、金を掛けずに美味しいものを作る唯一の方法は、化学調味料の多量使用といわれています。高グルタミン酸ナトリウム血症、いわゆる中華飯店症候群を惹き起こし、痛風になるといいます。20代で痛風になった人を医師が問診したら、コンビニ食の愛好者だったという例が報告されています。

スチレンを原料とする容器。

スチレンを原料とする容器。

コンビニ食の容器も問題です。コンビニ食のプラスティック容器の代表はPS、ポリスチレンです。原料はスチレンでできています。スチレンは発癌物質の一種です。電子レンジで規定の時間を過ぎるまで加熱すると容器は変形します。電子レンジは、規定時間を超えると、すぐに超高温に達します。容器が融けると、反応触媒剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、等々10種類以上の化学物質が身体に入って来ないとは限りません。ラップ類(ラミネートフィルム)も問題です。こういうことを、政府官庁にほんとうに調べてほしいと思います。直ちに発表できなくても、それを根拠に行政指導が出来るはずですから。

自然食品は高くて手が出ない、という問題

コンビニ食が問題なのは分かっている、けれども、有機農業の野菜も、添加物を用いない自然食品の醤油や、味噌や、みりんや、お酢なども値段が高くて、手が出ないという人がいます。いいことは分かっているけれど、これらは高いといいます。
この点、コンビニはお手軽なのです。コンビニ本部は、消費行動を徹底的に分析して、それを基にマーケッティングを組み立てています。これにみんなやられています。

『住まいを予防医学する本』では、予防原則(リスク回避)という考え方を打ち出しました。この考え方に立つと、コンビニ食は出来る限り食べないことが、リスク回避することになります。しかし、このリスク回避は、コンビニのようにお手軽ではなく、面倒を強いたり、値段も高かったりします。
何事もリスク・ゼロということはありません。
コンビニ食を選ぶのもリスクであれば、自然食を選ぶのも、たとえば値段が高かったり、という別のリスクを伴います。そのなかで、どういうベネフィット(便益)を選ぶかが問題です。リスク学では、それをコスト・ベネフィットといいます。

コスト・ベネフィットとは、つまり、その人の生活の選択に尽きます。

「健康長者をめざすための食事7カ条」というのがあります。

1.自分も台所に立ち、料理を作る
2.歯が何を食べたらよいか語っている
 臼歯:20本:5:穀物、豆を擂り潰す歯
 門歯: 8本:2:野菜を噛み切る歯
 犬歯: 4本:1:小魚を食べる歯
3.自分の腕力で取れる程度の食品を食べる
 大きな動物は食べない  
4.自分の住んでいる地域、身の周りのものを食べる
 米食給食の自足率:56% パン食給食の自足率:14%
5.全体食で食べられるものを食べる
 玄米、小魚
 大きい動物、魚は食べない
6.よく噛むこと
7.食品の表示をよくみる

あぶないコンビニ食より
http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/11016

これらはお金がある、ないという問題ではなく、生活の過ごし方の問題と考えるべきです。しかしながら、コンビニ食に比べて家庭食がいいかというと、冷凍食品や出来合いのおかずが並ぶばかりで、危険さにおいて五十歩百歩といわれます。つまり、危険なのはコンビニ弁当ではなく、いまの食生活そのものが危険だというのです。
『びお』特集のイラストを担当いただいている小野寺光子さんに、今回の特集のことをメールで送りましたら、

「最近の若い人の食の好み自体が、コンビニ食が基準になったような食の好みになってきているという話も聞きました(皆ではないはずですが)。揚げたてのカツは口の中でサクサクの衣が痛いので、コンビニ弁当に入っているようなしっとりした衣のほうが好きだとか、海苔もコンビニのおにぎりのような厚くて香りのないもののほうが、評価が高いとか。パリパリしている海苔でないとおにぎりを食べたくないという人も。えええっ!そんな人いるんでしょうか、と思ったら子供の地元の友達にはぼちぼちいるようです」

という返事がありました。
小さなとき、遠足で食べたおにぎりは、海苔がご飯に湿ってついていて、それが海苔の風味を引き出しおいしかった、という記憶があるのですが、今の若い人は違うのですね。コンビニ弁当の、あの味の濃さは何なんだ、と思いますが、あの刺激のつよさがないと食べた気がしないという人もいるのかも知れません。

チェーンの居酒屋で出されるアンコウの肝はブリの肝が用いられていますが、それに慣れた舌で本物のアンコウの肝を食べると、「これはアンコウの肝じゃない」というそうです。こういうことは枚挙にいとまがなくて、舌の劣化はなはだしく、味の真贋がつかなくなっているようです。
自分で台所に立つことでしか、自分と自分の家族は守れないこと。
旬を大切にして、旬を味わうようになると、味の違いが分かるようになること。
コンビニ食を離れるには、そうした体験を重ねるしかないようです。家は、そのための根拠地です。
若い人は、少し早く起きてご飯を炊いて、朝食を摂ると共に、自分でお弁当をつくってほしいですね。それだけで生活が変わりますから……。

参考

世界から流れ込む輸入食材のはけ口…検証 コンビニ弁当
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200010/2000103011.htm

コンビニ弁当:黄色ブドウ球菌、環境ホルモンも
http://www.drhase.info/031107.html

コンビニ弁当のラベルから

「保存料・合成着色料は使用していません」
最近では、この言葉が、どこのコンビニの弁当にもうたわれている。ソルビン酸カリウム等の保存料は、「買ってはいけない」等で問題視されたこともあり使用が控えられているようだ。

しかし、それがすなわち安全ということにはならない。

12月10日午前に購入した弁当の表示には、いくつもの気になる表示があった。

弁当のラベル

グリシン

アミノ酸。経口摂取で安全とされるが、妊娠中、授乳中の安全性については信頼出来る十分なデータがない。サプリメントとして売られているグリシンは、妊娠中の摂取は医師に相談するよううたわれている。

リン酸塩

洗剤の水質軟化剤としても使用される。過剰に摂取するとカルシウムの吸収が阻害され骨粗鬆症になりかねない。コンビニ大手のセブンイレブンはサンドイッチ中のハムソーセージ類には未使用をうたっている。

ステビア

甘味料。薬用があるといわれる一方、安全性についてのデータが少なく、認可を留保している国が多い。

この他にも、一括表示やキャリーオーバーによるトリックで、まだまだ見えない添加物が含まれている可能性がある。

キャリーオーバーとは

原材料中に含まれるが、微量で効果がないもの、とされている。たとえばこの弁当の原材料には「付合せ」「鶏竜田黒酢あん和え」などと記載されているが、これら含まれる添加物は、微量であれば記載しなくてもよいことになっている。

一括表示とは

ほとんど全ての加工食品に含まれる「調味料(アミノ酸等)」をはじめとして、酸味料、pH調整剤などは、一括表示されている。実際には複数の添加物が使われていても、長い「カタカナ添加物」ではなく、一括の「短い文字」で表示出来るため悪い印象を与えにくい。

例えば、「酸味料」と書かれているだけで、実際には以下のような添加物が「一括で表示」できてしまう。

アジピン酸 クエン酸三ナトリウム
グルコン酸 グルコン酸ナトリウム
コハク酸一ナトリウム 酢酸ナトリウム
L-酒石酸 L-酒石酸水素カリウム
L-酒石酸ナトリウム 炭酸水素ナトリウム
二酸化炭素 乳酸ナトリウム
ピロリン酸二水素二ナトリウム フマル酸一ナトリウム
DL‐リンゴ酸ナトリウム リン酸水素二カリウム
リン酸水素二ナトリウム クエン酸
グルコノデルタラクトン グルコン酸カリウム
コハク酸 コハク酸二ナトリウム
DL-酒石酸 DL-酒石酸水素カリウム
DL-酒石酸ナトリウム 炭酸カリウム(無水)
炭酸ナトリウム 乳酸
氷酢酸 フマル酸
DL-リンゴ酸 リン酸
リン酸二水素カリウム リン酸二水素ナトリウム

参考:食品衛生法に基づく添加物の表示等について
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/mhwinfo.nsf/0/b09a70f498038a3c4925660b0005bc49?OpenDocument

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  1. 光代さんからのコメント

    2008/12/14(日)23:25

    大阪での「一歩先をゆくセミナー」でお会いしました、久宝金属の川添光代です。

    阪神大震災で 同僚が仕事に来れず、コンビニでバイトをしていた次男が 二人分働いていた事が有ります。
    その時、そこのコンビニのお弁当を毎日のように食べていて、彼は 体中にアトピーが出てしまいました。

    単なる素材さえ安心して買えない時代になってしまいましたが、それでも 自分で調理する事は大切ですね。身体のためにもですが、何かもっと大きな効果もありそうです。
    食べ物の事を知ろうとするだけでも 社会の構造が見えてくる気がするのです。

  2. 編集人さんからのコメント

    2008/12/14(日)14:27

    渡部さん、ありがとうございます。知らない人のために、ご紹介しますと、渡部さんは「びお」で取り上げた、宮古島の渡部さんです。お嬢さんおふたりの化学物質過敏症の災禍から立ち上がられ、昨年、宮古島に家を建てられました。お元気に過ごされているお写真を、いつか読者の方にご紹介したいと思っていますが、来年、また特集を予定しておりますので、そこにアルバムとして載せることにします。
    コンビニ食では、お弁当だけでなく、たとえばサンドイッチ類にも添加物のグリシンが入っていて、それぞれは微量で、すぐには影響がないのでしょうが、いつしかそれが許容量を超えたときに恐いですね。普段は明るく元気な渡部さんのお嬢さん二人に接してみと、化学物質という暴力が持つ残忍性をつよく思いました。

  3. 渡部 千秋さんからのコメント

    2008/12/14(日)12:26

    こんにちは いつも楽しく拝見させていただいています。
    「コンビニ食」には考えさせられますね。いろいろな意見がありましょうが本文の最後に述べられていたように、自分の食べるものは自分で作りまた自分の家族のために作ることが第一だと思います。

     以前に「家づくり」のアンケートに書いたのですが、親子で少しでも「家づくり」に参加することからそこで生まれる会話や手を動かして作業すること、自分の家族を守ってくれる「家」を自らも「造る」ことが100の言葉で環境のことや人のあり方を語るよりも心の中の大切な基礎を形成してくれるように思います。少し大げさかもしれませんが、国産材を使って伝統的な家を家族が参加して造ること、職人さんの仕事を間近で見ること、そして家の手入れをすること、これらは人にとって、とても大事な根幹を作り上げる作業なのだと思います。
     「食」と「住」、家族が集う家があって、そこで食事を大切にいただくこと、を大事にしていきたいですね。

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立春といわれても、まだ冬だよ、といわれる寒波がこの列島を襲っています。けれど、日脚を見ると一日一日伸びていて、木々を見ると芽吹いていて、なるほど立春なのだ、春は立っているのだと思います。

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