特集
【緊急特集】200年住宅って何なの?
2008年11月22日 土曜日
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「超長期住宅先導的モデル」木造建築病理学・「既存住宅ドック」システム
工務店は「住宅医」になろう
今回の「超長期住宅先導的モデル」では、住宅の新築部門とは別に、既存住宅等の改修部門で、共同提案されたものも採択されていますね。提案名が「木造住宅病理学・『既存住宅ドック』システム」と、いかめしいもので、提案者が「住宅医ネットワーク」ですね。木造建築病理学という学問があります。
病理学とは、「医学の一分科。病気及び畸形の形態や機能をしらべてその成立原理を研究する学問。病理解剖学・病理生理学等の分野をもつ」(『広辞苑』より)ことを言います。
これに木造建築を被せる学問とは、さてさて、というところですが、提案名をみると、いささか工務店には縁遠い学問のようにも思えますが、これは明確に、地域建築のためのものです。具体的な臨床例が生まれると、工務店にも、なるほどと合点の行くものとなるでしょう。
病理学とは、「医学の一分科。病気及び畸形の形態や機能をしらべてその成立原理を研究する学問。病理解剖学・病理生理学等の分野をもつ」(『広辞苑』より)ことを言います。
これに木造建築を被せる学問とは、さてさて、というところですが、提案名をみると、いささか工務店には縁遠い学問のようにも思えますが、これは明確に、地域建築のためのものです。具体的な臨床例が生まれると、工務店にも、なるほどと合点の行くものとなるでしょう。
もう5年も前から取り組まれているとか?「木造建築病理学」という名前を持った講座が、岐阜県立森林文化アカデミーに開設されて5年になります。〈建築病理学〉という学問は、すでにイギリスでやられていて、幾つもの大学の研究対象となっています。イギリスの場合は、それがアカデミズムに留まらず、民間のストック住宅の診断法として具体化され、改修手法の展開と結びついて発展しています。
森林文化アカデミーの取り組みは、建築教育分野で建築学会賞を受賞した、三澤文子教授が中心になって進められています。三澤文子さんは建築家であって、自身の建築実践のテーマである〈木造〉を、建築病理学に被せたという次第です。このすっ飛びは、三澤文子さんならではのものといってよいでしょう(笑い)。
『住宅建築』2008年7月号
森林文化アカデミーの取り組みは、建築教育分野で建築学会賞を受賞した、三澤文子教授が中心になって進められています。三澤文子さんは建築家であって、自身の建築実践のテーマである〈木造〉を、建築病理学に被せたという次第です。このすっ飛びは、三澤文子さんならではのものといってよいでしょう(笑い)。

『住宅建築』2008年7月号
三澤さんはこの5年間、〈木造建築病理学をどのように進めて来たか〉について、月刊『住宅建築』(建築資料研究社刊)に書いています。武山倫さん(建築家)がこれを読んでがぜん刮目し、〈超長期住宅先導的モデル〉の既存住宅等の改修部門にこれでアタックしないか、と町の工務店ネットに持ち掛けてきました。ネットとしては、一も二もなくこれに乗りました。これぞ工務店救済の妙案であり、これから必要なものだと直感したからです。
木匠塾の中川護事務局長も加わり、まあ布陣としてはこれ以上ないものとなりました。それぞれ異質であるのがいいと思います。刺激があり、緊張があります。わが〈町の工務店ネット〉は、このトリガーの役割を担い、実践部隊として活動することを誓いました。
改修というと、新築そっくりさんというような、やり方が多いのですが、あれらとどう違うのですか。ああいう表皮だけのものでなく、身体(壁の中)をちゃんと診断して、治療(建築)対策を立てる方法です。この診断者は、樹木医に似ているので、「住宅医」と呼ぶことになりました。
どんなふうに診断するのですか。これから「びお」紙上で、各地の実施例を取材して紹介していきますが、これまでは大学病院の精密検査のやり方になっていて、一軒の家の診断に16人工も掛っています。このやり方では、採算が合わず、工務店レベルではやれません。手法を徹底整理し、また非破壊検査機器などを用いて、10分の1以下の作業量にしたいと考えています。
診断では、壁の中を可視化します。正確な数値把握ができたら、それに基づいて改造設計を行います。
診断では、壁の中を可視化します。正確な数値把握ができたら、それに基づいて改造設計を行います。
建物の改造・再生は住宅ローンの借入額が厳しくて、結果において土壁やペンキを塗りなおしたり、開口部や設備を取り替えたりということになっていますが、そのあたりは改善されるのでしょうか?何故、借入額が少ないかというと、銀行が担保価値を評価できないからです。性能評価を行い、保険や保証がつけられるようになると、当然、長期住宅ローンが可能となります。その意味で、今回、先導的モデル既存住宅等の改修部門で採択されたのは、非常に大きなことです。
まだ、調査研究の段階で、今回の申請の対象地域は、とりあえず関西・東海地域に限ります。申請数も限られています。
これは当面、岐阜県立森林文化アカデミーの協力を必要とし、要員と時間的空間的な制約を受けざるを得ないからです。費用が掛かりますが、先導的モデルの補助金を有効に利用することが可能です。
まだ、調査研究の段階で、今回の申請の対象地域は、とりあえず関西・東海地域に限ります。申請数も限られています。
これは当面、岐阜県立森林文化アカデミーの協力を必要とし、要員と時間的空間的な制約を受けざるを得ないからです。費用が掛かりますが、先導的モデルの補助金を有効に利用することが可能です。
工務店は、何を、どう身につければいいのですか?この調査研究の対象となる建物とユーザーを探し出し、応募してください。その実践例は「びお」でも伝えます。
現在、住宅医については、森林文化アカデミーで講座がもたれており、その受講時間は62時間です。工務店の方々を対象とした特別講座を開くには、育成カリキュラムやマニュアルの作成が必要であり、また、工務店が実際に取り入れるには、非破壊検査機器のコストダウンなど、幾つもの課題が残されています。
現在、住宅医については、森林文化アカデミーで講座がもたれており、その受講時間は62時間です。工務店の方々を対象とした特別講座を開くには、育成カリキュラムやマニュアルの作成が必要であり、また、工務店が実際に取り入れるには、非破壊検査機器のコストダウンなど、幾つもの課題が残されています。
工務店にとってのメリットは何でしょうか?これからの工務店は、新築だけでなく、しっかり改造をやって、それが仮に二塁打だとすれば、その先に本塁打(新築)があるとするやり方を確立させる必要があります。
住宅医を制度化させることによって、それを新しい普遍に高めれば、工務店の仕事の進め方は大きく変化することでしょう。今回の採択は、その先鞭をつけるものです。
一般ユーザーが取り組めるのは、いつ頃ですか?もし今の住宅をしっかり診断し、改造・再生したい希望をお持ちなら、現時点でも応募できますし、先導的モデルの補助金を利用することもできます。まずは工務店に相談してください。
補助金額は、新築の場合と同じ最大額200万円です。
補助金額は、新築の場合と同じ最大額200万円です。
- 「超長期住宅先導的モデル事業」まず、採択の結果を紹介します。
- 超長期住宅の基本
- 「小さな家」と、「家族力の家」(200年住宅)
- 町の工務店ネットの「超長期住宅先導的モデル」
- 「超長期住宅先導的モデル」木造建築病理学・「既存住宅ドック」システム





2008/11/24(月)10:50
200年住宅って何なの?
link 「超長期住宅先導的モデル事業」に町の工務店ネットは4件の案を応募していたが、BeV Standard を含めて全てが採択された。 まぁ、そこで喜んでいるだけでは始まらない…….というわ…
2008/11/25(火)04:37
Tamaさん、修理できるって、とても大事なことですね。販売店に貶められているなかで、手の復権をはかろうという人がいるのは、頼もしいことです。町の八百屋さんは、その野菜がいちばんおいしい時期、つまり旬ですね、それを店頭で声掛けすることで、その店の前を通る人に季節を感じさせてくれます。戦艦のような郊外店があちらこちらにつくられて、そうしたものを、日本の町は失う方向で動いています。
安井さん、町の工務店メンバーは宇都宮にはいませんが、わたしの知り合いの工務店があります。その工務店をご紹介しても結構ですし、もし波長が合う工務店がありましたら、是非、町の工務店ネットに加わるようお薦めください。
さわさん、これから設計が始まり、建築へと動き出します。びおは、その模様をいろいろな角度から追います。
「住宅医」の方は、調査現場に同行します。この取り組みのリーダーである、岐阜県立森林文化アカデミーの三澤文子さんは、ご自身のブログで「出航!」と雄叫びを挙げておられます。
2008/11/25(火)01:23
まずは、採択おめでとうございます。
今回の特集に表されているように、200年住宅には、一面からは計れない、いろいろな要素が含まれていますね。
電気屋さんの話で思い出したことがあります。
昔なじみの町の電気屋さん。
洗濯機の修理に来てくれていました。
昔は、ナショナルは代理店教育が行き届いていて、電気製品の修理ができるように育て上げる研修制度があったらしい。
ある時期から、修理はメーカーに送る方式に変わって、単なる販売店となったとのこと。
先端技術を囲い込むためという理由らしい。
「でも、自分が売ったものが直せないなんて、なんかいやでなぁ
ある時、分解して、研究して見たんよ。そしたら、教育を受けていたおかげで、直せることが分かってな。」
困ったのは部品。でも、今はその部品が作れる機械を購入したおかげで、ほとんどのものが直せるようになったそうだ。
「今は新製品売っても、ありがとうなんて言われないけど、修理できると100%喜んでもらえるから嬉しいよ。」
今は、その町から引っ越した我が家にしてみれば、
久しぶりに聞くその町や人のことなど、修理の間も、懐かしい会話が弾みます。
ちょっとした家電は、大手量販店で安く買います。
でも、我が家は今でも大型家電はその電気屋さんで買います。
ちょっとした値段の違いは、埋めて余りあるものがあります。
新製品の情報は、量販店で比較してからですが。
町の工務店に通じるものを感じるのです。
言葉巧みに宣伝して、売る家を買うよりも
信頼して任せられる、心の通うお付き合いを続けていける町の工務店。
そうは思っても、自分たちの好みの家を建ててもらえないんじゃないかと不安であれば、設計は好みの建築家に依頼して、建てるのは信頼置ける町の工務店。
そんな姿が、とても自然に思えるのです。
「住宅医」となれば、それは町のお医者さんの存在ですよね。
これからの展開に、大きな期待を寄せています。
2008/11/24(月)21:00
200年住宅といわれ、先導的モデルと言われるものの、よく分からないできました。この特集は、考え違いしないように冷静に記述されていて、いいと思った。
建ててもらえる工務店を教えてください。宇都宮に住んでいます。
2008/11/24(月)20:50
採択おめでとうございます。すごいですね。どんな住まいが生まれてくるのか、楽しみです。町の工務店ネットの工務店さんに期待します。取り組みの模様を、びおで取り上げてくださいね。