興味津々

興味津々・No.027

2008年11月27日 木曜日

はえたたきこのところ、ベーハ小屋をめぐるブログが元気である。ベーハ小屋は、煙草の葉の乾燥庫である。黄色種の煙草の葉は、釜で熱を加え人工乾燥する必要があり、黄色種は「米葉(米国の葉)」であることから、ベーハ(米葉)小屋と名づけられた▼讃岐(香川)から「ShopMasterのひとりごと」を発信する菅徹夫さんがブログで取り上げ、それは「びお」の特撰ブログにもなっている▼この刺激的な取り組みに触発されて、地元の人たちが研究会をつくり、また町の工務店ネットの工務店が各地で探索を開始し、島根・柿木村リンケンの田村浩一(マイルス社長)さん、浜松・入政建築の新野達治さんが、それぞれ地元のベーハ小屋を探し出し、ブログに掲載するようになった▼田村さんは、ノリノリで、島根県各地のベーハ小屋を次々に探し出し「休日の楽しみがまた増えました」と、ベーハ小屋を巡る冒険に勤しむ。▼菅さんは愉悦を覚え、田村さんと、新野さんを特派員に指名した。二人はいつの間にかベーハ小屋研究会の一員とされ、そうして類が類を呼び、時空を超えて広がっている。ブログには名代の「バラック蒐集家」秋山東一氏もコメントを寄せ、大いに盛り上がっているのである▼田村さんが見つけた、のけぞり、孤独を囲うベーハ小屋などは哀愁すら漂わせていて、これはもう秋山東一的には、興奮の極みといえるものがある。見事に「素形」をとどめていて、地域の風景史となっているではないか▼ベーハ小屋王国の菅さんは、まんまる山や溜池を含め、讃岐の風景論に高めようとしている。それは慧眼というべきもので、もしここに、それを独自に絵画表現できるものがいたら、讃岐は「平野宇宙」を生むことになるだろう。棟方志功が津軽を「宇宙」にしたように▼今、日本の風景は乱れに乱れている。建築は美しいものを生むとは限らない。醜悪を生むこともある▼失われたものにノスタルジーを感じるから、菅さんたちはベーハ小屋を追っているのではない。そこに明日に続く、建築のあり方があると思うから熱を帯びるのである▼今、各地で巨大な戦艦を思わせるようなショッピング・センターが出来て、ロード郊外店も増加の一途である。10年前の地域・そして現在・それから10年後の流れの中で、地域の「素形」を、自分たちの建築をして、せめて棹差したいという思いが、菅さんたちの行動にどこか働いているように思われてなにない▼ベーハ小屋を一冊の本にまとめられたらいいですね。

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