興味津々
興味津々・No.024
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共同通信が、この8、9日に実施した全国電話世論調査で、政府が追加経済対策に盛り込んだ定額給付金について「評価しない」と答えた人が58.1%に上り、「評価する」31.4%を上回った▼同じ日に朝日新聞社も調査を実施しており、定額給付金について「必要な政策だと思う」は26%にとどまり、「そうは思わない」が63%と、否定的な見方が大きく上回った。内閣支持率も37%にとどまった▼定額給付金については、識者からは愚民政治との批判があり、野党からは選挙を前にしての「ばらまき」だとの批判が投げかけられていた。世論調査は、これらの批判に軍配を上げたわけだが、それにしても、こういう判断を、この国の民がやってのけたことに驚きを覚える▼定額給付金と引き換えに3年後消費税をアップするという話が効いたという説もある。総額2兆円、標準4人家族で約6万円。待っている消費税の方は、5%引き上げられたとして、毎年の税負担は12兆円、4人家族のサラリーマン世帯で年16万円になる▼それはないだろ、と誰しも思う。しかし、朝日の調査では消費税の引き上げやむなしが45%に達しており、反対44%を上回っている。1%の差とはいえ、これも驚きである▼これに気をよくしたのか、その日の演説で麻生首相は、3年後10%引き上げを打ち出した。あれあれ、最初の引き上げ云々は、3年間は引き上げない、という公約だという説明ではなかったか? 舌の根も乾かぬうちにの感がある▼しかし、それにしても呉れるというお金を、うれしくない、「評価しない」というのである。これは前代未聞である。▼麻生首相は、この結果に対して「給付金、不要でも結構」その分は「他に回せる」と言ったと報じられた。「評価しない」のであって、だれもいらないとは言っていない▼この世論調査の結果をみて、思い出したのは藤原正彦さんの著書『国家の品格』(新潮社)に書かれたことだった。江戸末期に、中国を経由して日本にやってきた宣教師シュリーマンは、中国で渡し船に乗るたびに最初の約束の料金の4倍ものお金を要求されて辟易としたという▼日本に入って、船頭は同じようなアジア人の顔つきだし、格好も似ているので、どうせ何倍かの料金を吹っかけられるならと、要求される前に2倍のお金を手渡したところ、「これじゃ多過ぎる」といって半分を返してきた▼どの船に乗っても同じで、シュリーマンは、「同じような顔をしているのに、どうしてこんなに違うのか」と驚嘆したという▼フランシスコ・ザビエルが室町時代の日本を見て、日本は礼節の国だと言ったのは有名である▼建築畑ではエドワード・モースが『日本人の住まい』(八坂書店発行)に書いたエピソードに心引かれる。夏に窓を開け放って寝入る姿をみた同僚が、「何と野蛮な国民だ」と言ったことに対し、モースは窓を開け放っても大丈夫ということこそ文明の証と言った▼この本は、300余点の図版が見もので、詳細な観察記録に興味はつきない。同書には「便所といえど日本家屋では芸術的感性ある職人がこれに注意を払っている」という記述があり、町と田舎の便所の例をあげている▼近頃、日本人の人相が悪くなったといわれているが、今回の世論調査の結果に救われた。






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