特集

『超高層マンション』か『地べたを生きる家』か

2008年11月17日 月曜日

超高層マンションのスラム化と、やがてやってくる、大規模修繕問題。

一歩六本木ヒルズを離れると荒廃が進む六本木周辺

一歩六本木ヒルズを離れると荒廃が進む六本木周辺

教えてそれでは最後に、一番問題とされている、超高層マンションの修繕及び建て替え問題について……。
この問題は、建築後10年以上、20年後あたりに顕在化されるもので、今のところ大きな問題になっていません。しかし、建物の劣化が進み、大規模な修繕を必要とするようになると、俄然、問題が深刻になります。住人の意識や立場の違いも、そのとき明るみにでます。
たとえば店舗もある複合用途の建物の場合です。修繕積立金は、専有面積の床面積に応じて徴収されます。ということは、店舗のオーナーは、マンション住人より高い額を払っていることになります。たいがい店舗は低層階にあり、修繕を必要とする箇所は風雨にさらされる高所に発生します。
大規模修繕を必要とする時期になると、この両者の利害は一致しなくなり、店舗側は不参加ということになったりします。
高層階の修繕は膨大な費用が掛り、工事も大掛かりです。ゴンドラを吊って修繕すると、それが費用全体の3割を占め、そんなに掛かるわけがないと言い出す人が出たりして、スッタモンダします。
修繕積立金の範囲でやれればいいのですが、郊外の超高層マンションで、廉価が売りでやったようなところは、この修繕積立金が足りなくなるかも知れません。
教えて何事も相談してやらないといけないし。
建物管理組合が置かれても、意見の調整は容易ではありません。
先に挙げた店舗と住宅部分の所有者の利害の調整などを含め、全体合意をはかるのは至難です。普通の修繕でも、区分所有者と議決権の過半数の賛成を必要とします。修繕費の滞納者もいるだろうし、かといって売主系の管理会社に任せると、過剰な修繕をやられる可能性が高く、住人の中でそれに文句をいう人も出ます。
教えてもう聞いているだけで気が重くなるわね。
もめ事を避けて、大規模修繕を怠ると、超高層マンションほど始末の悪いものはないといわれています。専門家が指摘する「スラム化の危険」です。大規模修繕は、準備に2年から3年、工事に1年を見ておいた方がいいでしょうね。
そこに今回のような金融危機が重なると、破綻物件も出るでしょうし、中古を買った人との意識差も生じます。超高層のこれからを語るのは、関係者であればあるほど気が重いといわれます。
教えて大友克洋のSF『AKIRA』(アキラ)に出てくる世界みたいに、地上40階以上は空き室になって、そこに雑多な人が住みだしたりして……。
AKIRA(作・大友克洋)

AKIRA(作・大友克洋)

大友克洋が描いたのは、殲滅された東京のサイバーパンクな錆色の世界でした。あの作品では、どうして殲滅されたのか、何故そうなったのかは、何も描かれていません。しかし、あの錆色の世界は不気味でしたね。超高層マンションがスラム化した場合、大友克洋の予見力は凄かったということになるのかも。そうならないように、人間は「地べた」に帰らなければ、と思いますね。

  

教えて何だか重い話になりましたが、大切なことは、冒頭にいわれた「しみじみ地べたを生きる」ですね。
それでは、お開きとします。ありがとうございました。

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  1. たかもとさんからのコメント

    2008/11/18(火)18:55

    ここまで踏み込んで大丈夫かな、と心配になりました。でも情報を集めて、再構成しているだけなので、これでは文句のつけようがないですね。パチパチパチ、拍手。

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