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高気密な家の掃除機を問う!

2008年10月13日 月曜日
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掃除機イラスト

イラスト:小野寺光子

掃除機の変遷を考える

「白物家電」という言葉があります。炊飯器、冷蔵庫、洗濯機など、家事の労力を減らしてくれる、生活密着系の家電です。言い換えれば、どこの家にでもある家電ってことです。

どこの家にも定着したからか、最近では、高級志向、高価格化による差別化が著しい市場です。
掃除機も、そんな白物家電の一つです。ところが、家電量販店に行ったり、ネット通販で探したりしてみると、掃除機だけは、他の白物家電と何かが違う…

10/9時点での価格比較サイト「価格.com」で、白物家電の売れ筋ランキングを見てみると

冷蔵庫 洗濯機 炊飯器 掃除機
日立
(129800)
日立
(92980)
三洋電機
(47100)
ナショナル
(29800)
シャープ
(26650)
三菱電機
(42000)
三洋電機
(32800)
シャープ
(35700)
三菱電機
(49697)
三洋電機
(135476)
象印
(16900)
シャープ
(22880)
ナショナル
(128000)
日立
(23000)
ナショナル
(45700)
三洋電機
(47000)
ナショナル
(119800)
日立
(63382)
タイガー
(12800)
ダイソン
(62399)
パナソニック
(150000)
日立
(134880)
タイガー
(16500)
ツインバード
(3315)
日立
(206600)
東芝
(89140)
三洋電機
(23300)
シャープ
(15200)
ハイアール
(18800)
ナショナル
(150890)
三洋電機
(25408)
ダイソン
(38650)
モリタ
(19000)
シャープ
(31870)
三洋電機
(-)
東芝
(15990)
ナショナル
(99800)
シャープ
(93017)
象印
(12800)
シャープ
(30975)
メーカー名と平均価格を記載。機種名は省略。黄色は海外メーカー

ほとんどが日本の大手メーカー製です。中小や海外メーカーは、値段の安い製品で人気を獲得しているように見えますが、掃除機だけが様子が違います。外国メーカーのものは、値段で見ると高いほうです。

掃除機だけは、「舶来物」が幅をきかせているのです。
いったいなぜそんなことになっているでしょうか?

海外メーカーがつくった高級掃除機市場

海外メーカーが開発した、紙パックのいらない「サイクロン方式」がヒットし、その後国内メーカーからも同様の製品が発売され、市場ではサイクロン型が増えてきています。先のランキング中8製品がサイクロン型です。数千円で買える掃除機もあるのに、数万円のものがヒットしています。

国内掃除機市場は年間560万台で安定していると言われており、そこに海外メーカーが参入してきたとなると、国内メーカーとしても単価を高くする必要があるのでしょうか。またたくまに国内の掃除機は高級サイクロンばかりが目につくようになってきました。

生活習慣と掃除機

電気掃除機は、土足にカーペットというライフスタイルの欧米が発祥の地です。畳や板張りが中心の日本家屋にはなじまなかったのか、「三種の神器」といわれたテレビ、洗濯機、冷蔵庫よりも一般家庭への普及は遅かったと言われています。その後、1960年代にはいって日本の住宅に、カーペット敷の「洋室」が登場してきたことで、電気掃除機の普及が進みました。

洋室イメージ

「洋室化」が電気掃除機を普及させた。

住環境は、1960年代と現在とでは、大きく変わっています。掃除機の視点から見て、その最たるものは、室内空気質です。住宅の高気密化と建材等から発生するVOC(揮発性有機化合物)の対策のため、2003年7月以降に建てられる住宅には、24時間換気が義務づけられるようになっています。

大量の空気を吸い込んで、またそれをはき出す掃除機にとって、「空気質」が言われるようになってきたのです。また、目に見えるような大きなゴミばかりでなく、花粉やダニなどのアレルゲンに対する対応力も問われます。

空気質を考えた掃除機選び

掃除機選びの基準としては、紙パック、サイクロンといった方式の違いの他、「吸込仕事率」「動作音」、そして「空気質」があげられます。

ここでは、各製品のスペック比較のようなことは行いませんが、早くから空気質に着目したスウェーデン、エレクトロラックス社の「オキシジェン」を見ながら、掃除機と室内空気質を考えてみます。

オキシジェンは流行のサイクロン型ではなく、紙パック型の掃除機です。スウェーデンでは、日本より古くから高気密住宅が普及していたため、空気質に着目するのが早かったと言われています。カタログによると、排気側のフィルターでは0.6μmの微粒子を99.995%、0.08μmの超微粒子も99.95%をキャッチするとされています(スギ花粉のサイズが30~40μm程度)。

少し前の型ですが、実際につかっているもので、フィルターを見てみました。

オキシジェンパックを外したところ
紙パックを外してみたところ。廻りにほこりの付着はほとんどなく、紙パックの段階で見えるようなゴミは取り除かれているようです。

オキシジェンパック排気型フィルター
排気側のフィルター。目に見えるようなホコリはみあたりません。臭いもないようでした。買ってから一度だけ洗ったそうです。

参考に、サイクロン型のフィルターも見てみましょう。

しばらく掃除をしていないサイクロン型のフィルター
古い型なので参考まで。サイクロン型のフィルターです。フィルター自体に見える大きさのホコリが堆積しています。フィルター本体にもに6ヶ月ごとに洗うよう書かれていますが、これはメンテナンス不足か?(記者の家のものです…)

国産メーカーでは、フィルター掃除の手間を軽減するために、ティッシュペーパーをつかってフィルターの手助けをするようなものも出てきています。

いずれにしても、かなりの風量で、ゴミを一カ所にあつめるわけですから、そこからいかに周囲をよごさないようにしていくかということには、これからも各メーカーが競っていくのでしょう。
既に、空気清浄機の代わりになるという掃除機まで出てきています。

他の白物家電と違い、ヨーロッパのメーカーに国内メーカーが追従し、国内メーカー風に調理(多機能化)するという動きは面白いですね。

ヨーロッパでは、大型建築物に木造を、という動きが盛んです。この動きが日本にどんな影響を与えるのでしょうか。そのときは、また新しいスタイルの掃除機が出てくるのかもしれません。

掃除機の効率は1/2000万?

「愉しい非電化」という本があります。この本によると、「床にあるホコリを掃除機の中に移動させる」という掃除機の目的の仕事量を、掃除機の使う電気量で割ると、1/2000万という効率にしかならない、とされています。

「びお」編集委員で、サイクロン型掃除機・ダイソンファンであることを公言している建築家の秋山東一さんは、この事実にいささかショックをうけられたようです。

秋山さんのブログ[aki's stocktaking]より

愉しい非電化
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/001556.html

ダイソン
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000351.html

ゴミを「動かす」、という点で、「吸い込む」ことは、「吹き飛ばす」ことに比べるとかなり効率が劣ります。息を吹きかけて動くようなものでも、吸い込んで動かそうとしたら大変なことからもわかります。

最近の掃除機では、ほうきやちりとりでは取れないような小さなホコリ・アレルゲンを吸い込む等、単純に置き換えることは出来ませんが、目線を変えて、非電化生活を楽しんでみるのも、また一つの選択です。


ハミダシコラム「掃除機は趣味のアイテムだ」

掃除機選びを聞かれたら、あえて「遊べ!」と申し上げましょう。
自宅の掃除機選びのときに「掃除機なんかどれもゴミ吸うだろうから同じでしょ」というような言葉を漏らしたところ、「じゃあオートバイだってどれだって同じだ」という返答を受け、衝撃を受けました。

確かに移動はどのオートバイでも出来るけど、きちんと選びたいし。「機能美」を感じるものもあれば、そうでないものもあるのも同じ。タダでくれたって絶対イヤ!というヤツもあるし…舶来物が幅をきかせてきたのも同じだし。吸気して排気するのも同じだし(?)。

掃除機だって、ある程度のことはどの機種だって出来るけど、付加機能、環境性能、そしてデザインや質感、所有欲を満たしてくれることだって大切じゃないですか?

自動車だって最近は、燃費、排ガスはもちろんのこと、「こんな機能だれが使うんだよ…」というような機能がついていたりして、それがまた決め手になってしまったりして。
見栄だってあってもいい。「自動車何乗っているの?」「オートバイ何乗ってるの?」と聞かれて答えるときに優越感や劣等感を感じるようなアナタは、掃除機も、そういう目で選んだ方がいい。そうなれば、アバタもエクボです。

TDR250エアクリーナー

掃除機≒オートバイ?

オートバイでは吸気量を増やすためにエアクリーナー(フィルター)を目の粗いものに交換することがありますが、その場合、当然フィルターにキャッチ出来ないゴミがエンジン内に入り込んでしまいます。そういうリスクを背負って自分で勝手に替えるわけですが、掃除機にも、高性能なアフターパーツがあったら愉しいのに…なんて思います(あるのかな?)。

何を選んだとしても、お手入れは大事です。オートバイにせよ、掃除機にせよ、他の家電にせよ、フィルターのメンテナンスをしないと本来の性能が発揮されません。メンテナンスフリーもよいですが、面倒なメンテナンスも、これまた愉しいではありませんか。[サヅカ]

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  1. tamaさんからのコメント

    2008/10/15(水)20:05

    非電化掃除機!
    こんな物があるとは。すごい

    私は、化学物質過敏症なので、掃除機から出るあの空気は
    耐え難いものがあり、ダイソンの掃除機を愛用しています。
    けれど、非電化掃除機は空気質の問題だけではなく
    常識を超える、目からうろこのすごいものですね

    ほどほどの快適・便利
    最高の発明家ですね。
    もっといろんな面白いもの発明してほしいです

  2. 副編サヅカさんからのコメント

    2008/10/14(火)12:21

    コメントありがとうございます。
    この特集では、「アイテム」としての掃除機に焦点をあてていましたので、セントラルクリーナーには触れていませんが、空気質を考えた場合、また新築・リフォームの際には、セントラルクリーナーは選択肢の一つとして当然あげられると思います。
    私はセントラルクリーナーの使用経験がなく、その利点・欠点など知らないことが多いため、使用経験者(お施主さん、設計・施工問わず)がいらっしゃいましたら、ぜひコメントいただければと思います。

  3. 樋口建築研究所 樋口 康裕さんからのコメント

    2008/10/14(火)10:43

    掃除機に関して興味深く読ませていただきました。
    私も高気密住宅における掃除のしかたに疑問をもっているひとりです。方式はともかく、いわゆる一般の掃除機ではまだまだアレルゲンや微粉をまきちらしながら、さらに掃除機自体からでる風で建物内に静まり返っていたほこりをまきあげながら掃除機をかけている現状にです。高気密住宅にこそセントラルクリーナーが最適だと思います。しかしなぜ普及しないのか不思議です。目に見える豪華な設備にはお金にはだすが、目に見えない一番肝心なことには関心がないということなのでしょうか。コメントをお待ちいたします。

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