興味津々
興味津々・No.016
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七十二候にいう「水始涸」は、田圃の水が涸れるのであって、日本には秋雨があり、水そのものが危機的状況にあるわけではない。けれども、世界に目を転ずれば水不足は深刻である▼つい先日も、トルコ南部にあったアクシェヒル湖(大阪市の面積に匹敵する大きな湖)が干上がり、塩で白くなった湖底が顔をみせたという報道があった。この湖を生活の糧とする漁民は、営々として続けられてきた仕事を失った▼この湖が消えた原因は、多くの水を必要とする(お金になる)農業への転換にあった。湖が消えるまでに要した歳月は4年で、温暖化の影響による雨不足と重なって、あっという間に大きな湖が消えてしまった▼地球は水の惑星といわれる。地表には13億8900万立米もの水がある。しかし、そのうち海の水が97%を占めていて、人が利用できる淡水は3%しかない。しかもその多くは氷として閉じ込められていたり、地下水であったりして、利用しやすい河や湖川の水はごく微量である▼河川水は、淡水のうち0.04%の1.3兆トン、これを人口50億人で割ると、一人当たり約250トンしかない。もしこれを、生活用に使ったとしたら3年しかもたないとされる▼幸いというべきか、水はこの地表を循環しており、大量の海の水は、太陽エネルギーによって暖められ、蒸発し、それは雲になり、雨となって地表に降り注いでくれる。地表に降り注ぐ雨量は、平均すると年100ミリとされ、これは海面と地表からの平均蒸発量に比例する▼川が枯渇することなく、絶えず上流から流れてくるのは、太陽と海と地表による巨大な水循環システムに依っている▼しかし、地球全体でみれば水はもともと偏在しており、熱帯に誕生した気団の影響を受け、モンスーンによって多量の雨が降る日本は、最も恵まれた国の一つに属するのに対し、少量の雨しか降らない地域がある▼そこに温暖化によって変調を来たし、気候変動が生じ、それに加えて水を多量に必要とする農業を拡大すれば、結果は火を見るよりも明らかなことである。人間は、どこまで愚かなことかと思われるが、その地の人にしてみれば必死なのであろう▼国連は、飲用と食糧生産に必要な水量を一人あたり年間1000立米と算定していて、それ以下の水しか得られない人を「ウォーター・ブア(水の貧困層)」と呼んでいる。この層が波及的に拡大しているのが、現下の世界である。





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