特集
鰹節を削ろう!
- 小
- 中
- 大

鰹節の歴史
鰹節が初めて文献に登場するのは、わが国最古の書物とされる「古事記」です。「堅魚」という名前が用いられており、今の鰹節の原型をなすものが存在していたと推測されます。
「大宝律令(701年)」や、平安時代の「延喜式(905年)」にも税の対象として「堅魚」「煮堅魚」「堅魚煎汁」の記載があり、素干しあるいは煮熟加工した保存食として利用されていたことがうかがえます。
鎌倉時代から戦国時代にかけては、鰹節は保存兵糧として珍重されました。また、鰹節は「勝つ」「勝男武士」に通じることから、縁起物でもありました。
現在のような製法は、1674年(延宝2年)に紀州の漁師甚太郎という人物が燻製で魚肉中の水分を除去する燻乾法(焙乾法)を考案し、製造したのが起源とされています。
このように、鰹節は、古くから長い時間をかけて培われてきた日本の文化、伝統食品です。
削られなくなった鰹節

削りぶしが現在の主流に
三大産地のうち、枕崎、山川のある鹿児島では、本枯節がまだ多く作られていますが、焼津では本枯節を作っているのは、山七さん他、わずかな工場しか無いそうです。職人さんも減っていっているし、高齢化も進んでいるとのことです。
記者(30代半ば)は子どもの頃、家で、「鰹節をかく」係をしていました。鰹節削り器で、「シャッシャッ」という心地よい音を立てながら、鰹節をかく。以前は、どこの家庭でも普通に見られた光景だったのではないでしょうか。しかし今は、それをしている家庭はごく少数だと思われます。おそらく今の若い世代は、鰹節削り器を見たこともないし、「鰹節をかく」ということを知らない人が大部分なのではないでしょうか。
先のスーパーマーケット調査に見ても、「削りぶし」が主流である事は明らかです。
需要が減れば、食べる人が減っていけば、作られる量も作り手の数も減っていくのは道理です。果たしてそれでいいのでしょうか。
発酵学者の小泉武夫さんは、鰹節について「こんなにすばらしいものが、われわれの世代で消えるということは本当にもったいないことで、次の世代に『食の世界遺産』ともいうべきすばらしい鰹節を伝承しなければならないのも、私たちの使命ではないかと思うのです。」とおっしゃっています。まさにそのとおりだと共感します。
時間が詰まっているからこそ、手軽な「だし」に

出荷されていく鰹節
西洋料理や中華料理におけるだし(フォン、ブイヨン、湯など)では、肉や骨、野菜を長い時間煮込んでだしをとります。
これに対して、鰹だしは、鰹の削りぶしを沸騰したお湯に入れるだけで、とても簡単です。簡単なのに深い風味が愉しめるのは、一本の本枯節を作るまでに半年という時間が蓄積されているからなのでしょう。
鰹節に感謝です。
いろいろな鰹節削り器
鰹節を削る音、みそ汁の匂い…昔は当たり前だったこんな朝の光景も、今では珍しいものになってしまっています。以前はどこの家にもあった鰹節削り器も、最近では見かけなくなってきました。

かき氷をつくる感覚に似ています。

昔ながらの引き出し付き。
でも、いまでももちろん手に入りますし、近代的な製品も登場しています。
昔ながらの、上に削るための刃がついていて、下に引き出しが付いている、長い箱型の削り器。引き出しがない、比較的安価で手軽な削り器。それから、ハンドル式の削り器もありました!
鰹節は「客の顔を見てから削れ」と言われるほど、削りたてが美味しい食べ物です。ほんのちょっとした手間で、美味しい本物が味わえます。
どんな削り器を買おうか、それを選ぶのも楽しそうです。

思ったより簡単でした!
取材協力
焼津鰹節水産加工協同組合
http://www.katsuobushi-kyo.or.jp/
株式会社山七
本社:静岡県焼津市田尻2212の12
TEL:054-656-1777
工場:静岡県焼津市焼津市惣衛門1280-15
TEL:054-624-2117






2008/11/13(木)00:16
やっぱり削りたて
気持ちにゆとりのあるときは、鰹節を削ったりする。カッカッカッと音をさせているとなんだかいいことをしている気分だ。実家に鰹節削り器があったかどうか記憶にない。花かつおを使…
2008/10/30(木)22:10
鰹節を削ってダシにする。これはとても贅沢ですね。スローフーズはイタリアからの輸入と思っていましたが、日本の伝統的なやり方にあることを気づかせてくれました。ありがとう。ほんとに楽しいwebになってきましたね。
2008/10/30(木)14:48
子供のころ、友達の家に行くと、おじいちゃんが鰹節をかく姿をよく見ていた。
袋入りの鰹節しか知らない私にしてみれば、それが鰹節を削っている事すら想像が付かなかったが、それがとてもほしくなって、買ってもらって削った記憶がある。
早速、自分で削り、ワクワクとした気持ちで箱を開ける。
けれど出てきたのは、あの薄く透き通った鰹節ではなく、
ぼそぼそのこつぶのかたまり。。。
そういえば、おじいさんは小気味のいい音をさせながらけずっていたな。。。
最近では、鰹節でだしをとることもしなくなったけれど、
いや、お味噌汁すら毎日の食卓にのぼらなくなっている。
たまにつくるならなおのこと、
鰹節をかくなどという贅沢な時間をつかった季節のお澄ましなど
試してみたいものです。
2008/10/29(水)07:42
鰹節の製造過程、面白いですね。以前福音館の雑誌「かがくのとも」で枕崎の鰹節つくりを読んだことがあります。
実家では、正月のお雑煮には、鰹節をかいてかけます。日常はかつおぶしでなく袋のだしの素なのですが、正月だけは。私の親の代から続いている習慣です。父が大工だったし、兄も大工なので、鰹節削りは、仕事で使わなくなった鉋を大きなアルマイトの弁当箱にのせてかくのです。兄嫁がお雑煮を作っている間に、兄がその朝の分の鰹節をかきます。この鰹節をかけたお雑煮が食べたくて、私も娘(大人です)も、いまだに正月は実家に泊まるのです。ほんとに美味しいです。
記者さんは30代で子どもの頃鰹節をかく担当だったとのことですが、50代の私は普段に親が鰹節でだしをとっていた記憶がありません。普段の煮干のだし、正月の鰹節という記憶です。鰹節は高かったのかなあ。母はマルちゃんのかつおだしの素なんかも使っていましたっけ。
私自身は新米シュフの頃に木箱の鰹節削り器を使いましたが、刃の調整ができずに挫折して、袋のだしの素に。今は、みそ汁は煮干のだし、そばやうどんには厚削り、ときたま気がむくと花かつおと昆布のだしもとり、余裕がないときもあるからと、袋のだしの素やだし醤油(昆布つゆなど)も常備しています。
里芋のねっとりしたいいもの(結構お高い)を煮るのに、袋のだしじゃもったいないとは思います。自分だしがあたりまえの生活に切り替えたいというのが目標です。
それにはまず、鰹節削り器の刃の調整ができるようにならないといけません。削り器を置くスペースというのも問題な我が家です。