興味津々

興味津々・No.005

2008年08月08日 金曜日
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扇風機北京オリンピックが、いよいよ開幕である。テレビに映る観客や、市民の映像は、みんな華やかで喜びに満ちている。北京オリンピックは、「発展こそ美しい」として歩んできた、ここ20年の決算にあたるような催事で、圧倒的多くの中国人は、これを歓迎している◆しかし、それを冷視し、あるいは反発する人もいる。チベット族や新疆ウイグル族、あるいは四川大地震で手抜き工事のため子どもや家族を圧死された者たち、さらにはビル建設のため強制的に立ち退きを執行された者たちは、素直には喜べない◆北京には胡同(路地)の奥に四合院があった。そこには、かつて魯迅が住んでいた。茅盾や老舍や郭沫若も住んでいた。これら作家たちがいた故居・四合院の中庭に坐ると、その文学が蘇るという。しかし、これら記念碑的な建物を除くと、四合院はことごとく潰され、新しいビルやレストランなどに様変わりした◆数十年後の中国人は、このときのことを、果たしてどのように振り返るのだろうか。魯迅は、日本人ほど結論を好む民族はいないと述べているが、中国のある一面だけをみて、中国を分かったように書くのは戒められなければならないとして、魯迅ならどうみるのか、やはり知りたくなる◆オリンピックの開会前に、北京は100万の人間が入れ替わったという。出稼ぎ者が追い出され、代わって入ってきたのは警官軍人で、今の北京の人口の5人に一人は、これら警官か軍人だという◆強制的立ち退きに遭った被害者の陳情村は封鎖され、それを北京市民はインタビューで当然なことだと答えていた◆魯迅は『阿Q正伝』に書いている。「世論はどうかというと、末荘では、一人の異論もなく、当然阿Qを悪いとした。銃殺に処せられたのは、その悪い証拠である。悪くなければ、銃殺などに処せられる道理がないではないか」◆「発展こそ美しい」といって狂奔する国民にとって、足を引っ張るものは、悉く逮捕されていい存在なのであろう。いま、北京で起こっているのはこの衆愚政治ではないのか。北京オリンピックに水を差すものではないが、人権を貶めて豊かな国になった例はないことを知るべきであろう。

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